株式市場の見通し
2023-01-17
■ 米国株 : FRB要人発言と米主要企業の決算発表に注目
■ 欧州株 : 過度な割安感は解消
S&P500、ダウ平均は続伸。昨年12月の米消費者物価指数(CPI)を受けてインフレ鈍化が意識されたほか、複数の米連邦準備理事会(FRB)高官の発言を背景に、利上げペース鈍化への思惑が強まった。週末に米金融大手の経営者が決算説明会で景気の先行きに慎重な姿勢を示したものの、株価は底堅く推移した。
1月31日、2月1日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に今週末に参加者が金融政策関連の発言を控えるブラックアウト期間に入り、要人発言に注目。また、昨年10-12月期の米主要企業の決算発表で先週末の米金融大手と同様、経営陣から景気の先行きに慎重な姿勢が示されれば、利上げペースの減速期待を背景とした株高基調が転換するおそれがあり、警戒したい。
ストックス欧州600指数は続伸。中国で新型コロナウイルス感染拡大抑制策が一段と緩和されたことで、欧州景気の先行き不透明感が和らいだ。高級ブランドセクターや資本財セクターが株価上昇をけん引した。ストックス欧州600指数は週末にかけて上昇の勢いを増し、終値ベースで2022年4月以来の水準を付けた。
ストックス欧州600指数の向こう1年予想PER*¹(12.0倍、13日時点)は新型コロナ禍前にあたる2014-2019年の中心レンジ(12-15倍)下限に位置し、過度な割安感が解消された水準にある。企業業績見通しの下方修正が緩やかに進むなか、景気悪化懸念の緩和によるPERの持ち直しが株価上昇をけん引する構図が一巡すれば、株価の上値は重くなろう。
*¹PER=株価収益率