日銀:金融政策決定会合プレビュー
2023-01-16
■ 金融政策の現状維持予想が市場の多数派だが、政策修正観測は高まりやすい状況
■ 日銀は金融緩和継続の方針の一方で、短期金融市場は今年4月以降の政策修正を織り込む
本稿では、1月17、18日に開催される日銀の金融政策決定会合(以下、政策会合)を巡る動向を整理したい。今回の政策会合について、市場では金融政策の現状維持が予想されている。ただし、「昨年12月の政策修正直後であり、新たな措置を打ち出すには時間が短すぎる」、「追加で10年国債利回りの変動許容幅を拡大しても、市場機能の復元は難しい」といった消極的な理由が多くみられ、予断は許さない状況だ。対して、日銀からの情報発信では、昨年12月28日に公表された「金融政策決定会合における主な意見(同19、20日開催分)」で、「長期金利の変動幅拡大は、長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の持続性強化に資する」、「現時点では金融緩和継続が必要」との見解が多数派であると示された。加えて、年末年始を挟んで黒田日銀総裁の講演機会が複数回あったものの、早期の政策変更を示唆する内容は確認されていない。
昨年12月の政策会合でYCCの運用の一部見直しが公表されて以降、金融市場は不安定な状況が続く。各種報道機関から「日銀が大規模緩和の副作用を点検する」等の報道が発表されるたび、為替市場では円高が進行する事態が頻発。日本国債市場でも、日銀による各種国債買い入れオペや共通担保資金供給オペが実施されているが、1月13日の午前中には10年国債利回りが変動許容幅の上限(プラス0.50%)を上抜けた。その前日には、日銀の国債買い入れ額が1日としての過去最大規模(約4.6兆円)に達し、金融市場と日銀の攻防は過熱感を増している。また、OIS(オーバーナイト・インデックス・スワップ)市場では、日銀の新体制がスタートする予定の今年4月以降、マイナス金利政策の撤廃を織り込む状況にある。
1月10日に公表された昨年12月の東京都区部消費者物価指数(CPI)の生鮮食品を除くコア指数は、前年比4.0%上昇と1982年4月以来の高水準をつけた。内訳では全522品目中376品目が値上がりし、物価上昇圧力が広範に及びつつある点は、日銀の政策修正観測につながりやすくなっている。1月の政策会合後に公表される「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で、2024年度にかけてのコアCPIの上昇率予想が前年比2%前後へ引き上げられた場合、金融市場では一段と日銀の政策修正観測が高まろう。警戒姿勢を保っておきたい。
■ 日銀は金融緩和継続の方針の一方で、短期金融市場は今年4月以降の政策修正を織り込む
本稿では、1月17、18日に開催される日銀の金融政策決定会合(以下、政策会合)を巡る動向を整理したい。今回の政策会合について、市場では金融政策の現状維持が予想されている。ただし、「昨年12月の政策修正直後であり、新たな措置を打ち出すには時間が短すぎる」、「追加で10年国債利回りの変動許容幅を拡大しても、市場機能の復元は難しい」といった消極的な理由が多くみられ、予断は許さない状況だ。対して、日銀からの情報発信では、昨年12月28日に公表された「金融政策決定会合における主な意見(同19、20日開催分)」で、「長期金利の変動幅拡大は、長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の持続性強化に資する」、「現時点では金融緩和継続が必要」との見解が多数派であると示された。加えて、年末年始を挟んで黒田日銀総裁の講演機会が複数回あったものの、早期の政策変更を示唆する内容は確認されていない。
昨年12月の政策会合でYCCの運用の一部見直しが公表されて以降、金融市場は不安定な状況が続く。各種報道機関から「日銀が大規模緩和の副作用を点検する」等の報道が発表されるたび、為替市場では円高が進行する事態が頻発。日本国債市場でも、日銀による各種国債買い入れオペや共通担保資金供給オペが実施されているが、1月13日の午前中には10年国債利回りが変動許容幅の上限(プラス0.50%)を上抜けた。その前日には、日銀の国債買い入れ額が1日としての過去最大規模(約4.6兆円)に達し、金融市場と日銀の攻防は過熱感を増している。また、OIS(オーバーナイト・インデックス・スワップ)市場では、日銀の新体制がスタートする予定の今年4月以降、マイナス金利政策の撤廃を織り込む状況にある。
1月10日に公表された昨年12月の東京都区部消費者物価指数(CPI)の生鮮食品を除くコア指数は、前年比4.0%上昇と1982年4月以来の高水準をつけた。内訳では全522品目中376品目が値上がりし、物価上昇圧力が広範に及びつつある点は、日銀の政策修正観測につながりやすくなっている。1月の政策会合後に公表される「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で、2024年度にかけてのコアCPIの上昇率予想が前年比2%前後へ引き上げられた場合、金融市場では一段と日銀の政策修正観測が高まろう。警戒姿勢を保っておきたい。