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株式市場の見通し

2022-12-22

米国株 ≫ 大手企業の決算内容を注視
欧州株 ≫ 企業業績見通しの下方修正が進む

    S&P500、ダウ平均は続落。11月の米消費者物価指数(CPI)の伸びが市場予想を下回ったことが好感され、週前半は上昇した。米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利の最終到達点(ターミナルレート)見通しが引き上げられ、利上げ継続に伴う景気悪化懸念が強まり、週後半にかけて下げ幅を拡大した。
    今週は米連邦準備理事会(FRB)高官に発言機会があり、利上げ長期化観測の高まりや利下げ観測の剥落につながれば、景気後退懸念が強まるだろう。また、物流・小売・半導体大手の決算発表が予定されている。個別企業の決算内容や経営陣のコメントを通じて景気の先行き不透明感が一段と強まれば、株価は一段と軟調推移となる可能性があり、注視したい。

    ストックス欧州600指数は大幅続落。米国で利上げペースが減速するとの思惑が広がり、週前半には5月以来の高値を付ける場面がみられた。その後、欧州中銀(ECB)が50bpsの利上げを決定したうえで、さらなる利上げを示唆したことで景気後退懸念が強まり、週後半に大幅下落となった。

    ストックス欧州600指数の向こう1年予想一株あたり利益(EPS)成長率は9月以降に急速に下方修正され、8日時点では1.4%増となっている。当面は企業業績の拡大を起因とした株高を見込めないことが示唆される。こうしたなか、ECBによる金融引き締め姿勢が鮮明に示されたことで、予想株価収益率(PER)の上昇も見込み難い。欧州株の上値は重い展開が見込まれる。
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