BOE:景気後退に目配りし、利上げペースを減速へ
2022-12-13
■ 英中銀(BOE)は15日の金融政策委員会で、利上げ幅を75bpsから50bpsに縮小へ
■ 政策金利の最終到達点など、2023年以降の政策指針に関わる具体策が示されるかどうか
英中銀(BOE)は15日に金融政策委員会(MPC)を開催する。11月3日のMPCでは利上げ幅を75bpsに拡大し、政策金利を3.00%へ引き上げた。声明では、「より持続的なインフレ圧力が見通される場合、必要に応じて力強く対応する」との認識が示された。だが、ベイリーBOE総裁は、「インフレ抑制に必要な利上げは市場が考えているより小さい」と指摘。インフレ率の上振れに対する警戒感やさらなる利上げの必要性を唱えながらも、過度な引き締めは景気後退を招くとして、政策金利の最終到達点(ターミナルレート)の低下を示唆した。
13日公表の8-10月失業率は3.7%と2カ月連続で上昇、就業者数は前月比1.7万人減と3カ月連続でマイナスとなるが、平均賃金(除くボーナス)は前年比5.9%増へ伸びが加速する見通し。一方、25日公表の11月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年比10.9%と41年ぶりの高水準を付けた前月(同11.1%)から鈍化するが、食品・エネルギーなど変動の激しい項目を除くコアCPI上昇率は同6.5%と変わらずの見込み。英統計局によれば、低所得層はエネルギー・食品への出費割合が多いため、インフレの影響を富裕層よりも受ける傾向があるという。景気減速が強まるなかで、BOEは2.0%の物価目標に向けて小幅な利上げを継続しよう。
金利スワップ市場では、15日のMPCでの利上げ幅を50bpsに縮小するとの織り込みが93.4%、次回MPC(2023年2月開催)での50bpsの織り込みが85.6%と高水準で推移。その後は、同3月と5月に利上げ幅をそれぞれ25bpsへ縮小し、ターミナルレートは2023年年央をメドに4.50%でピークに達すると市場は見込む。2023年以降の政策指針に関わる具体策が示されるかどうか、同時公表される議事要旨とベイリーBOE総裁の記者会見も注目。