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米国・欧州経済

2022-11-29

■米国経済 ≫ 個人消費以外の項目で減速感が強まる
■欧州経済 ≫ 足元では企業活動の縮小ペースがやや緩む


    10月の耐久財受注(前月比1.0%増)は3カ月連続で増加し、設備投資の先行指標となる航空機を除く非国防資本財受注(同0.7%増)は2カ月ぶりに増加した。もっとも、後者は直近3カ月は概ね横ばい圏で推移しており、物価上昇の影響を除くと非常に低い伸びにとどまる。資金調達コストの増加が設備投資の抑制要因となる反面、設備稼働率が高水準にあり、設備投資需要は衰えていないことが示唆されている。
    10月の新築住宅販売(年率換算63.2万戸、前月比7.5%増)は2カ月ぶりに増加したが、趨勢的な減少基調は脱しておらず、販売在庫(8.9カ月分)も依然として高水準にある。一方で販売価格(中央値、49.3万ドル)は過去最高を更新し、需要が落ち込むなかでも価格高騰が続いている。
    10月のシカゴ連銀全米活動指数(マイナス0.05、前月比0.22ポイント低下)は4カ月ぶりにマイナスに転落し、トレンドを下回る成長ペースへ減速していることが示された。内訳をみると、4項目中消費・住宅を除く3項目がマイナスとなり、個人消費を除く項目で減速感が強まっていることがうかがえる。


    9月のユーロ圏経常収支(81億ユーロ赤字)は7カ月連続で赤字を計上したが、赤字額は6カ月ぶりの低水準だった。財収支の赤字縮小と対外金融資産の利子・配当金などを含む第1次所得収支の黒字拡大が、経常赤字縮小に寄与した。
    11月のユーロ圏PMI速報値は、製造業(47.3、前月比0.9ポイント上昇)、サービス業(48.6、同変わらず)ともに低下に歯止めがかかったが、活動縮小を示す50割れの状況が続いている。基調自体は変わらないものの、足元では減速ペースが幾分緩んでいることが示唆されている。
    11月のドイツIfo企業景況感指数(86.3、前月比1.8ポイント上昇)は3カ月ぶりに小幅上昇したが、趨勢的には下降基調は脱していない。内訳をみると、期待指数が上昇した一方、現況指数は低下しており、景気減速が続くなかでも、企業の先行きに対する過度な警戒感は和らいでいる模様。公表元は、今後見込まれる景気後退が従来想定されていたほど深刻化しない可能性を指摘した。
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