債券市場の見通し
2022-11-18
ユーロ圏国債 ≫ 欧州発の材料は決め手を欠き、海外情勢に振らされよう
日本国債 ≫ 需給が好転し、利回り低下圧力がかかりやすい
ドイツ(独)10年国債は反発(利回りは低下)。週初は、複数の欧州中銀(ECB)高官が積極的な利上げ継続姿を表明したことで、独2年国債利回りが大幅に上昇する場面があった。ただし、週後半には、米物価指標の結果を受けた米金利急低下の流れが波及し、独国債利回りにも下押し圧力が強まった。
ECBの利上げを巡る話題は、今週も決め手を欠くだろう。そうしたなか、英国中期財政計画の発表とそれを受けた英国金利の動向に注目したい。いったん英国市場は落ち着いたようにみえるものの、財政健全化の方策に市場が満足しなければ英金利は上昇し、ユーロ圏国債市場にも利回り上昇圧力がかかるとみる。海外情勢に振らされる不安定な時間帯が続きそうだ。
10年国債は小幅上昇(利回りは低下)。9日に実施された30年入札が無難な結果と受け止められ、買いが優勢となる場面もあったが、10月の米消費者物価指数(CPI)を前に様子見姿勢が継続した。週末には米国の利上げペースが鈍化するとの思惑が広がり、10年国債利回りは週末に低下圧力が強まった。
国債発行計画は増発が中短期債に絞られ、市場予想の範囲内との見方から相場への影響は限られた。30年国債入札を通過し、10年超の超長期国債は地合いが好転している。今週は15日に5年国債、17日に20年国債入札が予定されており、好需給が確認されれば10年国債利回りにも一段と下押し圧力がかかりやすいと思われる。