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米国:FOMCレビュー

2022-11-07

■ FOMCは0.75%の利上げを決定、政策効果のラグを踏まえ今後の利上げ幅縮小を示唆

■ FRBは政策金利を緩やかに長期にわたり引き上げへ、ターミナルレートは上振れの可能性も


11月1、2日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)では、政策金利が0.75%引き上げられ3.75-4.00%となった。0.75%の利上げは4会合連続。継続的な利上げが適切になると予想する意図として、声明文には「時間の経過とともにインフレ率を2%に戻すため、十分に制約的な政策姿勢を達成するため」との文言が新たに付け加えられた。また、「将来的な利上げペースを決定するにあたり、累積的な金融政策の引き締め、経済活動やインフレに及ぼす金融政策効果の遅れ、経済や金融の動向、を考慮する」との文言も付加され、12月以降のFOMC会合で利上げ幅が縮小する可能性が示唆された。
パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は記者会見で、早ければ12月、もしくは来年2月の会合で利上げペースを減速するだろうとして、次回会合で協議するとした。一方、政策金利は2023年に4.50-4.75%でピークに達するとの9月会合で公表された「Summary of Economic Projections」での見通しよりも高水準に引き上げる可能性を示唆。利上げ停止の検討は時期尚早だとして、金融市場で高まる利下げ観測をけん制した。総じてみれば、利上げ幅の縮小に向けた地均しを始めたものの、インフレ抑制にコミットし、政策金利を緩やかに長期にわたり引き上げていく姿勢が確認された。
今晩公表される10月の米雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月比20万人増に伸び鈍化、失業率は3.6%へ0.1%ポイント上昇、平均時給は前年比4.7%増へ伸び鈍化の見込み。12月14日のFOMC会合での利上げ幅は0.50%が40%超、0.75%は60%弱の織り込みが進むが、金融市場では、政策金利の最終到達点(ターミナルレート)の引き上げ余地を探ることになろう。
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