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米国:米主要ハイテク企業の決算を見極めへ

2022-10-26

■ 足元の株高の持続性には疑問符が付く

■ 米主要ハイテク企業の決算内容を相場全体の方向感を探る手掛かりに


   米国株式市場で投資家のリスク選好が改善している。米大手紙が11月1、2日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)で、12月会合での利上げ幅縮小を協議すると報じた。米連邦準備理事会(FRB)の要人発言を受けて、12月会合でも75bpsの大幅利上げが継続するとの見方が強まるなかでの報道とあって、利上げペースが鈍化するとの観測が浮上し株高の手掛かりとされている。ただ、物価や労働市場などFRBが警戒姿勢を示してきたデータに変化がみられない以上、足元の株高が株価の本格的な底入れにつながると楽観視しにくい。

   また、米主要企業の決算発表が本格化している。S&P500構成企業のうち24日までに99社が7-9月期決算発表を終え、75%の企業が市場予想を上回る一株あたり利益(EPS)を公表した。好決算を発表した銘柄に買いが入り、米国株は底堅く推移しているが、同期の予想EPSは前年比3.0%増まで下方修正されており、保守的な予想を上回る決算を好感した買いの持続性には疑問符が付く。市場のEPS成長率見通しは、2022年が6.8%、2023年が7.0%と10月初め(それぞれ7.7%、7.8%)から下方修正されてきているものの、実体に対して遅行する傾向が強く、先行き不透明感は拭えない。

   こうしたなか、今週は米主要ハイテク5社(GAFAM:アルファベット、アマゾン、メタ、アップル、マイクロソフト)の決算発表が集中しており、投資家のリスク選好が変化する可能性があることから注目したい。2021年売上高の内訳をみると、広告収入が8割以上を占めるタイプ、デバイス販売収入が8割以上を占めるタイプ、北米のEコマース(電子商取引)が6割を占めるタイプ、などビジネスモデルが大きく異なる。決算内容を吟味して経営環境の変化を見極め、相場全体の方向感を探る手掛かりとしたい。

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