News

米国・欧州経済

2022-10-05

■ 米国経済 ≫ ガソリン価格下落を受けて消費者心理は改善

■ 欧州経済 ≫ スタグフレーションの様相が一段と強まる


   8月の新築住宅販売(年率換算68.5万戸、前月比28.8%増)は3カ月ぶりの大幅増となり、販売戸数の増加を受けて販売在庫(8.1カ月分)は5カ月ぶりの低水準となった。販売価格(中央値、43.68万ドル)は過去最高だった前月からは低下したものの、依然として高水準で推移している。
   8月の個人消費支出(PCE、前月比0.4%増)は2カ月ぶりに増加した。財消費(同0.5%減)は2カ月連続で減少したが、サービス消費(同0.8%増)が大幅増となった。また、コアPCEデフレーター(前年比4.9%上昇、前月比0.6%上昇)は上昇ペースが再加速し、基調的なインフレ圧力が依然として強いことが示された。
  9月の消費者信頼感指数(108.0、前月比4.4ポイント上昇)は2カ月連続で上昇し、5カ月ぶりの高水準となった。雇用情勢、賃金上昇、ガソリン価格下落を受けて、現況、先行きともに上昇した。公表元はガソリン価格が年初来最低水準まで値下がりしていることを踏まえて9月にインフレが一段と鈍化することを見通しているものの、期待指数が低迷していることに基づき、景気後退に陥るリスクが残されていると分析している。
  9月のユーロ圏消費者物価指数(HICP、速報値、前年比10.0%上昇)は4カ月連続で上昇ペースが加速し、統計開始以来最高の更新が続いている。エネルギー、食品、アルコール、タバコ除くコアHICP(同4.8%上昇)でも上昇ペース加速が続いており、産業財などでも価格が急上昇していることが確認されている。
  9月のユーロ圏事業者・消費者調査では、景況感指数(93.7、前月比3.6ポイント低下)が7カ月連続で低下し、2020年11月以来の低水準となった。業種別の業況指数は、製造業(マイナス0.4)、サービス業(4.9)など全業種で低下し、消費者信頼感指数(確報値、マイナス28.8)は過去最低を更新した。ユーロ圏の景気が急激に悪化していることが示唆される。
  9月のドイツ(独)Ifo企業景況感指数(84.3、前月比4.3ポイント低下)は大幅低下し、2020年5月以来の低水準へ落ち込んだ。内訳をみると、現況、期待ともに大幅に低下しており、9月以降、景気減速感が一段と強まっていることが示された。
TOP