2022年10月第1週目(3日~7日)の相場展望
2022-10-03
先週早々、英国ポンドが急落し直近安値の1.0362まで大きく急落し、最近のユーロドルと同様にパリティ割れまでの思惑が台頭した。トラス新政権が打ち出した経済対策の評価が大きく下がっており、財源の当てがない450億ポンドの減税を中心とした経済対策に対して否定的な向きが増えている。ポンドの急落後、イングランド中銀が緊急利上げも辞さずというコメントで戻しを見ている。28日水曜日には、同中銀が市場安定化に向けて長期国債の買い入れを発表したことを受け、一時下落していたポンドは大きく上昇した。これまでの予定では、買い入れの縮小から終了まで織り込んでいたために、市場には大きさサプライズとなった。この日だけでポンドドルは約1.5%上昇した。週末に掛けても、イングランド中銀政策への思惑が強く、ポンドドルはそのまま上昇し、1.1233まであって結局最安値から800ポイント程戻し1.1154付近で引けている。今週もまた同中銀を横目に大きなレンジを伴う相場になりそうだ。日足のRSIは低いところで15台まで突っ込んだところから50手前まで戻しており、短期ではニュートラルに近い水準まで回復した。相場は一旦落ち着く可能性があるが、ストキャスティクスから見ると短期ライン(緑)が中期ライン(赤)を下回ると再度下落シグナルが点灯しそう。上値目途は週足での先々週高値である1.1272と8月高値からの半値戻しである1.1318付近となろう。この2つを上に抜けると底入れの可能性が高まるだろうが跳ね返されると下値不安は残るだろう。
ポンドドル日足


ここのところの急激なドル高で、まず日本がドル売り介入し急落し、その後ポンドが急落となりイングランド中銀が対応した。もしかすると同じところ資金が為替相場で仕掛けているという噂もあるが、真偽はわからない。またスイスでもドル売り介入を実施し、中国でも人民元の下落を食い止めるためオフショア市場で元買いドル売りを準備するよう指示が出たようだ。欧州もユーロの急落に神経を尖らせており、ユーロが下落すると輸入物価が上昇するため、ECBも警戒しているはず、このままドル高が進行すれば、米国バイデン政権のインフレ抑え込みの暗黙のツールであるドル高を独り占めするわけにもいかず、各国は協調してECBや米国も取り入れドル売り介入を模索する動きが出るかもしれない。今月の12~13日(来週月、火曜日)にG20財務大臣・中央銀行総裁会議が米国ワシントンで予定されている。この会議内容で為替が議題に上ると様々な思惑で市場が荒れる可能性も膨らみそう。
直近、米国の3株価指数が揃って年初来の最安値を更新した。今年3月の下落ではナスダック指数がリードしていたが、今回はダウやS&Pがややリードしており、株式相場全体に波及しているのが見てとれる。米国金利高とインフレ進行が先行き経済を下押しし、景気後退に入ることを示唆しているようだ。また現在のチャートは2008年9月に起きたリーマンショック前の動きをなぞったかのように酷似している。その時とは株価を測る指標のPERやBOEが違い、企業業績もそこまで悪いわけではないが、チャートを見ているとゾッとするほど似通っているので不安は尽きない。S&P(弊社SPX500指数)を見ていくと、25日移動平均線が先月末から下落に転じた。現在は3859ドル付近を下落中であり、このラインに上値を抑えられ続ける可能性は高い。このラインを上に抜けて、2週間以上堅調な動きを保っていかないとこのラインは上向きにはなりにくいので、しばらくは下落相場が継続する可能性が高い。現在のSPX500指数は下落トレンドの第3波動の中の3波動目の下落トレンド中にあり、下落幅が一番大きくなるタイミング期間となっている。下値ターゲットは、3428ドル-3533ドルを想定しており、もう少しでこのターゲット幅に入ってくる。ここから数%の下落があれば、売り方は気を付けるべきだと考える。反発があるとすれば、まず先週高値の3738ドルが最初の関門となろう。3882ドルを上回るのは非常に難しいと思っており、中長期的にはしばらく軟調な相場展開が継続するのではないかと考えている。
直近、米国の3株価指数が揃って年初来の最安値を更新した。今年3月の下落ではナスダック指数がリードしていたが、今回はダウやS&Pがややリードしており、株式相場全体に波及しているのが見てとれる。米国金利高とインフレ進行が先行き経済を下押しし、景気後退に入ることを示唆しているようだ。また現在のチャートは2008年9月に起きたリーマンショック前の動きをなぞったかのように酷似している。その時とは株価を測る指標のPERやBOEが違い、企業業績もそこまで悪いわけではないが、チャートを見ているとゾッとするほど似通っているので不安は尽きない。S&P(弊社SPX500指数)を見ていくと、25日移動平均線が先月末から下落に転じた。現在は3859ドル付近を下落中であり、このラインに上値を抑えられ続ける可能性は高い。このラインを上に抜けて、2週間以上堅調な動きを保っていかないとこのラインは上向きにはなりにくいので、しばらくは下落相場が継続する可能性が高い。現在のSPX500指数は下落トレンドの第3波動の中の3波動目の下落トレンド中にあり、下落幅が一番大きくなるタイミング期間となっている。下値ターゲットは、3428ドル-3533ドルを想定しており、もう少しでこのターゲット幅に入ってくる。ここから数%の下落があれば、売り方は気を付けるべきだと考える。反発があるとすれば、まず先週高値の3738ドルが最初の関門となろう。3882ドルを上回るのは非常に難しいと思っており、中長期的にはしばらく軟調な相場展開が継続するのではないかと考えている。
S&P(SPX500)指数日足チャート
今週は、米国の雇用統計が注目される。FRBはインフレに加えて労働市場への安定も図る政策を行っており、雇用者の減少は長期的に景気悪化の原因となってくる。また米国ISM景況指数にも注目したい。先月の結果の中で、供給サイドからインフレ圧力緩和が見られた。金利高が緩和される結果となるのか見極めたいところ。その他の国では経済指標は少なく、また中国が国慶節で週内は休場となるためアジア時間では薄い相場付きの中、低迷している株価や145円目前のドル円やそのほかの為替相場、資源価格は乱高下する波乱の可能性があり、注意は怠れない。

今週は、米国の雇用統計が注目される。FRBはインフレに加えて労働市場への安定も図る政策を行っており、雇用者の減少は長期的に景気悪化の原因となってくる。また米国ISM景況指数にも注目したい。先月の結果の中で、供給サイドからインフレ圧力緩和が見られた。金利高が緩和される結果となるのか見極めたいところ。その他の国では経済指標は少なく、また中国が国慶節で週内は休場となるためアジア時間では薄い相場付きの中、低迷している株価や145円目前のドル円やそのほかの為替相場、資源価格は乱高下する波乱の可能性があり、注意は怠れない。