2022年9月第5週目(26日~30日)の相場展望
2022-09-26
米国FRBは、FOMCで0.75%とほぼ予想通りの利上げを行った。マーケットは、一旦ドル売りの利食いとなったが、じりじりと値を戻し、パウエルFRB総裁の定例記者会見時にドル高へと反転した。会見の中でパウエルFRB総裁は、今後の金利見通しに関しての予想金利中央値を4.4%とし、年末までに今後1%程度の利上げを行う見通しと発言した。2023年末の予想金利中央値を4.6%に想定、また2025年末には2.9%程度の予想とした。現状の予想は、今年6月時点での予想を約1%上回っていることになる。その差だけドル高が進行したことになる。ドルの上昇は、金利差以外にもユーロ圏の景況感の悪化度合いが米国などと比べて深刻で、ロシアからの天然ガスや原油の供給が制限されていることが大きな背景となっている。
パウエルFRB総裁は、記者会見にて「物価安定なくして経済機能しない」「物価安定はFEDの責務」「労働市場は引き続きバランスを失っている」「成長の弱さにかかわらず、労働市場は非常にタイト」「労働市場の状況が緩和する可能性」「労働市場の鈍化の証拠はわずかしかない」「インフレ率の低下には雇用市場の軟化と成長の弱さが必要になる可能性が高い」とコメントし、労働市場に関しての内容も多かったことで、今後の雇用関連指数が大きな注目点の一つとなっていきそうだ。成長率への痛みの可能性や住宅市場にも言及し、金利を上げることによって住宅購入の動きを制限したいと見てとれる。住宅ローン金利は、30年物で直近6%を越え、約14年ぶりの水準まで高まっている。長い間デフレと低金利下の日本では考えられないほどの高い利率となった。それでも米国民は新たな住宅を求めて買うのだから、賃金の高騰や先行き経済への明るさが期待できる環境にあるのだろう。そういう国民の消費を抑えるのは難儀である。今後の予想中立金利も5%程度まで上がっていきそうだと考えている。
日銀金融政策決定会合では前回同様政策を維持し、金融緩和を進める意向と決定という結果を受けて、ドル円は急伸し146円直前まで買われた。その後の黒田日銀総裁の記者会見でもこれまで同様のコメントを維持した。しかし為替レートが急激に円安に振れていることには懸念を表明している。午後5時頃には、財務省が日銀に委託しての円買い介入を日本単独で行った模様。145円後半で推移していたドル円は、約40分後には140円台まで下落し、その後約1時間で143円まで戻すなど、乱高下となって値が飛ぶ展開となった。24年ぶりの介入ということで、現場の為替ディーラーも恐らく経験がある人は少なく、流れを読むのに一苦労していたに違いない。今回は急激な動きを抑制したいのは理解でき、単独行動でも久しぶりの政府の介入という意思を受けて大きく下がった。しかし介入後の相場はじり高へと回帰している。本日は仲値にかけて144円を付けており、再度介入を試す上昇基調となることが想定される。日本時間、金融機関の当日締め午後3時以降の介入ということで、日本時間の午後は警戒が強まるだろう。しかし欧州市場が中心後なる午後5時以降に介入がないとわかると再度ドル買いの可能性が強まりそうだ。しばらくは目が離せない展開で、大きな動きが継続すると考える。レベルからは介入レベルの145円台では買い方も相当神経質になるだろう。ただ市場参加者が介入を期待して売りポジションから入る向きが増えてくるため、上がると損切りの買い需要が増えてしまう。というふうにしばらくは、様々な思惑や需給、介入のタイミングや取引時間帯が絡んだ複雑な相場付きとなってくる。今回の介入は押し下げ介入とまではいかないだろうから、145円を静かに越えている流れになれば、介入が入ったとしても市場が徐々に慣れてくれば150円に向けての再上昇の可能性が高まるだろう。後は、後日発表される介入規模によって財務省の本気度が測られる。為替介入の額は月末に発表される。また介入した円はどうなるかというと、2営業日後に日銀の当座預金から吸い上げられる。日銀が2営業日後の資金需給に影響するオペで介入と同規模の資金を市場に供給する不胎化に動けば、短期金利の上昇は抑制されるので、日銀はそのオペを行っていくはず。一応介入後の2営業日後にあたる明日火曜日の日銀動向にも要警戒だ。
パウエルFRB総裁は、記者会見にて「物価安定なくして経済機能しない」「物価安定はFEDの責務」「労働市場は引き続きバランスを失っている」「成長の弱さにかかわらず、労働市場は非常にタイト」「労働市場の状況が緩和する可能性」「労働市場の鈍化の証拠はわずかしかない」「インフレ率の低下には雇用市場の軟化と成長の弱さが必要になる可能性が高い」とコメントし、労働市場に関しての内容も多かったことで、今後の雇用関連指数が大きな注目点の一つとなっていきそうだ。成長率への痛みの可能性や住宅市場にも言及し、金利を上げることによって住宅購入の動きを制限したいと見てとれる。住宅ローン金利は、30年物で直近6%を越え、約14年ぶりの水準まで高まっている。長い間デフレと低金利下の日本では考えられないほどの高い利率となった。それでも米国民は新たな住宅を求めて買うのだから、賃金の高騰や先行き経済への明るさが期待できる環境にあるのだろう。そういう国民の消費を抑えるのは難儀である。今後の予想中立金利も5%程度まで上がっていきそうだと考えている。
日銀金融政策決定会合では前回同様政策を維持し、金融緩和を進める意向と決定という結果を受けて、ドル円は急伸し146円直前まで買われた。その後の黒田日銀総裁の記者会見でもこれまで同様のコメントを維持した。しかし為替レートが急激に円安に振れていることには懸念を表明している。午後5時頃には、財務省が日銀に委託しての円買い介入を日本単独で行った模様。145円後半で推移していたドル円は、約40分後には140円台まで下落し、その後約1時間で143円まで戻すなど、乱高下となって値が飛ぶ展開となった。24年ぶりの介入ということで、現場の為替ディーラーも恐らく経験がある人は少なく、流れを読むのに一苦労していたに違いない。今回は急激な動きを抑制したいのは理解でき、単独行動でも久しぶりの政府の介入という意思を受けて大きく下がった。しかし介入後の相場はじり高へと回帰している。本日は仲値にかけて144円を付けており、再度介入を試す上昇基調となることが想定される。日本時間、金融機関の当日締め午後3時以降の介入ということで、日本時間の午後は警戒が強まるだろう。しかし欧州市場が中心後なる午後5時以降に介入がないとわかると再度ドル買いの可能性が強まりそうだ。しばらくは目が離せない展開で、大きな動きが継続すると考える。レベルからは介入レベルの145円台では買い方も相当神経質になるだろう。ただ市場参加者が介入を期待して売りポジションから入る向きが増えてくるため、上がると損切りの買い需要が増えてしまう。というふうにしばらくは、様々な思惑や需給、介入のタイミングや取引時間帯が絡んだ複雑な相場付きとなってくる。今回の介入は押し下げ介入とまではいかないだろうから、145円を静かに越えている流れになれば、介入が入ったとしても市場が徐々に慣れてくれば150円に向けての再上昇の可能性が高まるだろう。後は、後日発表される介入規模によって財務省の本気度が測られる。為替介入の額は月末に発表される。また介入した円はどうなるかというと、2営業日後に日銀の当座預金から吸い上げられる。日銀が2営業日後の資金需給に影響するオペで介入と同規模の資金を市場に供給する不胎化に動けば、短期金利の上昇は抑制されるので、日銀はそのオペを行っていくはず。一応介入後の2営業日後にあたる明日火曜日の日銀動向にも要警戒だ。
ドル円一時間チャート


今週は、直近の安値を大きく更新したユーロ相場に関連してはECBラガルド総裁の発言予定、またパウエルFRB総裁のコメントも予定されている。経済指標からは、ドイツ、フランス、ユーロ圏のCPI発表、米国では新築住宅販売件数やケースシラー住宅価格指数、消費者信頼感指数や4-6月期のGDPが発表される。