RBA理事会:利上げ幅は4会合連続の50bpsへ
2022-09-05
■ 物価高騰と金利上昇にもかかわらず、個人消費は堅調だが、住宅市場の減速感は強まる
■ 10月以降の理事会で利上げペースを25bpsに縮小するか、6日の声明と8月の雇用統計に注目
豪中銀(RBA)は9月6日に理事会を開く。8月2日の理事会声明では、「今後数カ月も政策正常化を進めるが、その道筋はあらかじめ決まっていない」との見解が示された。7月の小売売上高は347億豪ドル(前月比1.3%増)と過去最高を記録、個人消費の堅調さが確認された。労働市場については、同月の就業者数は前月比で9カ月ぶりに減少したが、学校の冬休みとコロナ禍に伴う労働者の欠勤が重なったことが影響した、と統計局は説明。失業率は3.4%と48年ぶりの低水準へ改善、労働時間が短く完全雇用に達していない不完全雇用率も6.0%へ低下し、労働市場の需給ひっ迫は続いていると判断される。さらに、政府による最低賃金が7月に引き上げられ、今後は業種毎の段階的な賃金増が進み、インフレ圧力を高めることになろう。6日の理事会では4会合連続で50bpsの利上げを決定、政策金利は1.85%から2.35%へ引き上げられる見通し。
市場予想では、7日公表の4-6月期実質GDPは前期比1.2%増と前期(同0.8%増)から伸びが加速する見通し。だが、物価高騰と金利上昇は経済成長の足かせとなる。7月の住宅着工許可件数は前月比17.2%減、8月のコアロジック住宅価格は同1.6%下落するなど、住宅市場の減速感が目立つ。10月以降の理事会で利上げ幅を25bpsに縮小するかどうか、6日のRBA理事会声明は15日公表の8月雇用統計と合わせて注目される。なお、政策金利の最終到達点となるターミナルレートについて、市場は2023年4、5月に3.85%前後でピークに達すると見込んでいる。インフレ期待の抑制に向けて、RBAは追加利上げが必要との再認識を示すだろう。