株式市場の見通し
2022-08-30
■ 米国株 ≫ 一段の株安を警戒したい
■ 欧州株 ≫ ECBの利上げ加速が株価の重しに
■ 欧州株 ≫ ECBの利上げ加速が株価の重しに
S&P500、NYダウはともに大幅続落。金融引き締めへの警戒感から株価下押し圧力が強まった。米長期金利が上昇一服し下げ
幅を縮小する場面もみられたが、週末にパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長がインフレ抑制を最優先に利上げを続ける方針を改めて強調し、一段の景気悪化懸念から大幅安となった。
金融引き締めへの警戒感は株価収益率(PER)を、景気悪化懸念は一株あたり利益(EPS)を、それぞれ下押しするとの思惑を強め、目先は株価が下振れしやすい地合いとなろう。今週は8月の米ISM製造業景況感指数や雇用統計など重要経済指標が公表されるほか、多くのFRB要人に発言機会があることから、株価の下落幅が一段と拡大するおそれがあり、警戒したい。
ストックス欧州600指数は大幅続落。ロシア産天然ガスの供給不安が高まったほか、ドイツやユーロ圏の景況感指数の悪化が株価を下押しした。週末には欧州中央銀行(ECB)の一部政策担当者が9月のECB理事会で75bpsの利上げを議論したいと考えていると伝わり、下げ幅を拡大した。
金融情報会社リフィニティブによれば、同指数構成企業で4-6月期決算発表を予定する324社のうち86%にあたる278社が発表を終え、このうち62%の企業のEPSが市場予想を上回った。エネルギーセクターが株価を下支えするなか、市場の関心はECBによる利上げ加速と景気の先行き不透明感に移行しつつあり、目先は株価下振れリスクを警戒すべき局面にあるとみる。