2022年8月第4週目(22日~26日)の相場展望
2022-08-22
現在の市場は、様々な米国の経済統計と物価指数等からインフレ率がピークを打ったとし、市場金利の低下からリスクオンの戻し相場となっている。直近の米国経済指標の悪化で景気減速懸念が台頭し、今年急激に利上げしたあとはインフレの落ち着きから利下げに転じるとまで、買い方は想定しているようだ。前回FOMC議事録では、市場が予想していた利上げ方向への懸念はやや収まるようなハト派の内容となった。またFRB高官からのコメントででは、次回9月のFOMCでは0.5%か0.75%か未だデータ次第であり5分5分として捉えられる内容が多い。株式相場は元々ロシアのウクライナ侵攻からのインフレによって懸念が行き過ぎていたため、現在はその反動で戻していると見ている。直近の消費者物価指数では原油価格の下げが大きく影響し、インフレ率の若干の低下が見られた。原油相場の下げは、OPECでの少量ながらも増産し、バイデン大統領は11月の中間選挙に向けて米国内でシェールオイルを増産したのが大きく影響している。米国のシェールオイルは主要7地域の生産量が9月には900バレル以上まで増加する見通しであり、コロナショック前の最高水準近くまで達する予想である。バイデン大統領は就任するにあたっては、マニュフェストの中で各国との協調、パリ協定への復帰に伴い環境悪化の原因となるシェールオイルの生産減を予定していた。しかし現状ではそれより中間選挙をどう戦うかとなっており、その焦点の中心がインフレ問題であるため、シェールオイル増産となってしまった。価格が軟調推移はしているが、原油価格の先行き見通せず、中国の経済動向やロシアのウクライナ侵攻度合いにもよるため、不透明要因が強いままだ。
FRBの委員達は、0.5%の利上げに傾きつつあった市場の思惑を牽制し、先週のセントルイス連銀のブラード総裁では、「0.75%を支持し、年末までに3.75%~4%に引き上げる必要があり、経済が不況に陥る心配をするのは時期尚早」などと市場の期待感を払拭したようだ。長期金利は下げからやや上昇に転じており、ドル指数も同様に上昇した。株価は高値からやや下げており、大きな戻りを見た米株は、先週の戻り高値を上値に重い展開から今後は大きめのレンジ内での調整度合いを強める期間に入ってくると考える。ドル円もドル指数にほぼ連動しており、元は米国金利との連動であるとすれば、ドル円にしても134円後半から138円半ばの間でのレンジを形成していくのではと考える。
ただ週明け月曜日は137.43まで強含んでおり、米国長期金利の上昇連動より大きな上げが継続中だ。7月の最高値と直近の安値の76.4%戻しを達成していることで全戻しの期待も出ている。しかし、このレベルで上げが止まると急な下げの可能性があるので気を付ける必要があるだろうお。本日は中国の利下げがあり、それにも連動したか円と元の通貨安が共に進行した形。先週は総じて米国株安となっていたが、リスクオフの円高も無視して上昇している。直近の円安は、世界の株価が上昇したことで今年前半のリスク度合いが減少し、マネーが再度リスク資産へと動いていることで、キャリートレードが活発化されるという思惑が台頭しているようだ。ここから上の137円後半から138円台は輸出勢の売り物が多いようで、高値奪回するには材料が足りないと考える。モメンタムの上昇トレンドであるため138円台に乗せることはあってもそれから上とトライするかは疑問。ここから買いに飛びつくのは大きなリスクであろう。長期的な上昇トレンドの中の調整局面ではあるが、やや調整期間に乏しいまま。しかしながら、押し目があっても下値を切り上げる形が見られれば140円を狙う可能性は大きいだろう。今週の上値目途は138.20付近、次が139.37付近である。下値は一目均衡表の雲上限レベル136.30付近で25日移動平均線も下値サポートとなりそうだ。
FRBの委員達は、0.5%の利上げに傾きつつあった市場の思惑を牽制し、先週のセントルイス連銀のブラード総裁では、「0.75%を支持し、年末までに3.75%~4%に引き上げる必要があり、経済が不況に陥る心配をするのは時期尚早」などと市場の期待感を払拭したようだ。長期金利は下げからやや上昇に転じており、ドル指数も同様に上昇した。株価は高値からやや下げており、大きな戻りを見た米株は、先週の戻り高値を上値に重い展開から今後は大きめのレンジ内での調整度合いを強める期間に入ってくると考える。ドル円もドル指数にほぼ連動しており、元は米国金利との連動であるとすれば、ドル円にしても134円後半から138円半ばの間でのレンジを形成していくのではと考える。
ただ週明け月曜日は137.43まで強含んでおり、米国長期金利の上昇連動より大きな上げが継続中だ。7月の最高値と直近の安値の76.4%戻しを達成していることで全戻しの期待も出ている。しかし、このレベルで上げが止まると急な下げの可能性があるので気を付ける必要があるだろうお。本日は中国の利下げがあり、それにも連動したか円と元の通貨安が共に進行した形。先週は総じて米国株安となっていたが、リスクオフの円高も無視して上昇している。直近の円安は、世界の株価が上昇したことで今年前半のリスク度合いが減少し、マネーが再度リスク資産へと動いていることで、キャリートレードが活発化されるという思惑が台頭しているようだ。ここから上の137円後半から138円台は輸出勢の売り物が多いようで、高値奪回するには材料が足りないと考える。モメンタムの上昇トレンドであるため138円台に乗せることはあってもそれから上とトライするかは疑問。ここから買いに飛びつくのは大きなリスクであろう。長期的な上昇トレンドの中の調整局面ではあるが、やや調整期間に乏しいまま。しかしながら、押し目があっても下値を切り上げる形が見られれば140円を狙う可能性は大きいだろう。今週の上値目途は138.20付近、次が139.37付近である。下値は一目均衡表の雲上限レベル136.30付近で25日移動平均線も下値サポートとなりそうだ。
ドル円日足チャート


今週は、各国中央銀行の総裁等が集まるシンポジウムであるジャクソンホールで会議が米国で開催される。世界的なインフレや利上げペース、更に景況感の認識についても話し合われる予定であり大きなイベント材料となろう。今後の金利水準に振れる可能性は低いが、コメント内容から憶測は飛び交うだろう。経済統計では、欧米の8月PMI担当者景気指数やドイツやフランスで企業景況感指数の発表がある。金利が少々している米国で7月新築住宅販売件数や住宅販売保留指数、4-6月期のGDPなどが控えている。