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RBNZプレビュー:4会合連続で50bpsの利上げへ

2022-08-17

■ NZ中銀は17日の金融政策会合で、政策金利を2.5%から3.0%へ引き上げる公算

■ 景気減速感が漂うなか、NZ中銀は厳しい金融政策のかじ取りを迫られよう


  ニュージーランド(NZ)中銀(RBNZ)は17日に金融政策会合を開く。統計局によれば、4-6月期の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年比7.3%と前期(同6.9%)から加速、建設費と家賃の上昇を主因に32年ぶりの高水準を付けた。一方、失業率は3.3%と1986年の統計開始以来の過去最低となった前期から0.1ポイント悪化したが、民間の賃金上昇率を示す労働コスト指数(LCI)は前年比3.4%上昇と2008年後半以降で最大の伸び。労働需給のひっ迫で賃金上昇ペースが加速するなか、CPIは中銀目標(1-3%)を5四半期連続で上振れた。7月会合後の声明では、「物価安定を維持し、持続可能な最大雇用を支えるペースで金融引き締めを継続することが適切」と表明していることに鑑みれば、RBNZは7会合連続で利上げを決定し、政策金利を2.5%から3.0%へ引き上げる公算が大きい。

  7月会合では、CPI上昇率に短期的な上振れリスクはあるが、経済活動には中期的な下振れリスクがあるとの認識が示された。1-3月期の実質GDPは前期比0.2%減と2四半期ぶりのマイナス成長。新型コロナウイルスによる外国人の入国制限によって留学生が減少したほか、農産品輸出の伸び悩みなど外需が成長を下押しした(4-6月期は9月15日公表)。金利先物市場では年内10月5日の会合で50bpsの利上げに踏み切れば、11月23日の会合では25bps利上げが決定されると織り込み済み。だが、7月のANZ消費者信頼感指数は81.9と新型コロナウイルス感染拡大初期の2020年や世界的金融危機の2008年の水準を下回る。物価高騰と金利上昇によって4-6月期以降の個人消費が低調となれば、景気減速感が強まり、RBNZは厳しい金融政策のかじ取りを迫られる。10月以降の政策指針について手掛かりが得られるか、17日会合後に公表される声明にも注目したい。
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