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ドル円:2カ月ぶりのドル安・円高水準を更新

2022-08-03

■ メインドライバーはドル安だが、円高にも拍車が掛かり、ドル円は130円台へ急落

■ ドルが弱気相場に転じたと判断するのは早計だが、手掛かりは米10年国債利回りの推移か


ドル円は本日のアジア市場で130円台前半まで続落し、約2カ月ぶりのドル安・円高水準を更新している。米連邦準備理事会(FRB)はインフレ抑制にコミットし、利上げペースを加速しているが、米国債利回りやドルインデックスが急低下していることに鑑みれば、米景気後退を意識したドル売りがメインドライバーとみられる。一方、週明けの動きについては、ペロシ米下院議長の台湾訪問を巡り、米中対立が深まるとの思惑から市場の警戒感が円買いに波及。クロス円の下げ(円高)にも拍車が掛かり、ドル安・円高の様相を呈している。

相場は売り方と買い方の均衡が崩れた時に大きく動く。当面は、米10年国債利回り、ドルインデックス、ユーロドル、の3つのマーケットデータに注目している。相場の帰趨は一目瞭然であるとの意味合いを成すチャート分析「一目均衡表」をみると、いずれも月足ベースは転換線が基準線を上回る強気相場を維持(ユーロドルは転換線が基準線を下回るユーロの弱気相場)。転換線はそれぞれ2.4165%、101.556、1.0738ドル、と現行水準から5%程度下方に位置し、ドルが弱気相場に転じたと判断するのは早計だ。ただし、時間軸を週足ベースに狭めると、米10年国債利回りのみ現行水準は基準線2.5830%を下回っているうえ、上方の転換線3.0580%が下方に振れつつある。米景気後退色が強まるなかで、足元の米10年国債利回りの動向はドル円が下げ止まるかどうかを見極めるうえで一番の手掛かりとなり得る。

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