2022年8月第1週目(1日~5日)の相場展望
2022-08-01
米国FOMCでほぼ予想通り0.75%の利上げを実施し、政策金利は2.25-2.5%とした。次の9月のFOMC予想では、0.5%の利上げが78%と多くを占めている他、0.75%利上げは22%になっている。政策発表後のFRBパウエル総裁の記者会見では、引き続きインフレ抑制に強くコミットしているが、今後の利上げはデータ次第ということで、市場とうまく対話を行っているようだ。この結果を受けて長期金利は低下しドル安となり、株式相場は好感し上昇。特に金利敏感株の多いナスダック指数は469ドル(約4%)と大幅高となった。ドル円は、長期金利の下げと連動し軟調推移となり、週末まで134円台まで下押ししている。またその翌日のGDP指標では、前期比マイナス0.9%となり予想のプラス0.5%を大きく下回ったが、株価には金利が下がったことで好影響となり続伸した。直近の市場は金利に敏感となっていることで、<経済指標悪化→金利安→株高、ドル安>の動きとなりそうだ。経済指標が良い場合は金利高となり、市場は逆の動きを見せるだろう。その動きはパウエル総裁が言及した、「今後の利上げはデータ次第」というのが背景である。とは言っても経済指標の悪化は景気には下押しとみられるため、時間がたつに連れて上記の連動は変化を見せると考えている。気になるのは、逆イールドの解消がなかなかなされないことで、先週末まで約3週間に及んで継続しており、週末時点でも10年債と2年債の利回りは0.2%程度乖離している。米国経済の先行き経済への懸念が解消されるには、この逆イールドが消失することが前提となりそうだ。
金曜日に発表されたミシガン大学消費者態度指数では、消費者の1年後の期待インフレがわずかに後退した結果を受けて、ドル売りが旺盛となった。しかし結果は僅かであり、まだインフレ期待率の低下が明確となったわけではない。また今後の雇用が悪化するとする予想が出ており、FRBにとっては厄介な問題が今後発生する可能性があり、引き締め度合いの調整が更に難しくなっていきそうだ。
金の4-6月期の需要統計からみると、中国の需要がゼロコロナ政策の影響が大きく、前期比で30%以上の下げとなったが、逆にインドでの需要が大きく20%程度上昇しており下支えという形となっている。金価格は米国長短金利と逆連動が強く、直近で米国金利が軟化していることで堅調さを取り戻した格好となっている。テクニカルではこのところのレンジ下限が1600ドル後半付近であり、そこからの反転となった。前回の3度安値1670ドル台を下抜け出来ずに上昇しており、そのレベル付近での買い需要から下値の堅さが再認識された形である。そこからの反転で1767ドルまで戻しており、週明けも堅調のままで1760ドル台での推移となっている。今日にでも5日移動平均線が25日移動平均線を上回るゴールデンクロスが明確になりそうで、上値余地が拡大しそうだ形だ。上値には今年3月からの下落トレンドラインがあり、そのブレイクの可能性が出てきた。そのラインは、今週末に掛けて1765ドル付近まで下がってくるので堅調推移が続けば上にブレイクもありそうだ。しかし5月安値の1785ドルは堅い抵抗となるため、すんなり1800までトライとなるかは疑問。トレンドラインブレイク後はややもみ合いながら上値を試す展開を予想している。下値は一応、ゴールデンクロスレベル付近の1745ドル付近となりそうだ。
金曜日に発表されたミシガン大学消費者態度指数では、消費者の1年後の期待インフレがわずかに後退した結果を受けて、ドル売りが旺盛となった。しかし結果は僅かであり、まだインフレ期待率の低下が明確となったわけではない。また今後の雇用が悪化するとする予想が出ており、FRBにとっては厄介な問題が今後発生する可能性があり、引き締め度合いの調整が更に難しくなっていきそうだ。
金の4-6月期の需要統計からみると、中国の需要がゼロコロナ政策の影響が大きく、前期比で30%以上の下げとなったが、逆にインドでの需要が大きく20%程度上昇しており下支えという形となっている。金価格は米国長短金利と逆連動が強く、直近で米国金利が軟化していることで堅調さを取り戻した格好となっている。テクニカルではこのところのレンジ下限が1600ドル後半付近であり、そこからの反転となった。前回の3度安値1670ドル台を下抜け出来ずに上昇しており、そのレベル付近での買い需要から下値の堅さが再認識された形である。そこからの反転で1767ドルまで戻しており、週明けも堅調のままで1760ドル台での推移となっている。今日にでも5日移動平均線が25日移動平均線を上回るゴールデンクロスが明確になりそうで、上値余地が拡大しそうだ形だ。上値には今年3月からの下落トレンドラインがあり、そのブレイクの可能性が出てきた。そのラインは、今週末に掛けて1765ドル付近まで下がってくるので堅調推移が続けば上にブレイクもありそうだ。しかし5月安値の1785ドルは堅い抵抗となるため、すんなり1800までトライとなるかは疑問。トレンドラインブレイク後はややもみ合いながら上値を試す展開を予想している。下値は一応、ゴールデンクロスレベル付近の1745ドル付近となりそうだ。
XAUUSDの日足チャート


ドル円は先週急落を見せ、特にFOMC後の下げは大きく、2日間で5円程度の大幅な下げとなった。0.75%の利上げで予想通りとなり、パウエルFRB総裁の記者会見では利上げが今後のデータ次第ということで、これまでより利上げへの姿勢が軟化して要に感じられた市場がドル売りを選択したようだ。これまでの大きなドル高からの修正局面が訪れたように感じられる。短期や中長期のドル買い持ちポジションの一部が手仕舞ったとみられる。金曜日の日本時間では、月末フローという理由が示唆されているがそれだけではないだろう。日本時間では円通貨の注文が多いため、海外勢の売りもアマウントが大きい場合は決済しやすいはずだ。国内と海外勢の実需円売りポジションの返しが出たと思われる。
ロシアがウクライナに侵攻後最初の日銀金融政策決定会合が3月に開催され、日銀黒田総裁の記者会見で、今後も十分な緩和を継続するという強い意志を感じ取った市場がドル円118円台から徐々に円安へと動き139円台まで大きく上昇させた。その間のロングポジションの解消がなされ始めた可能性がある。この間、5月の初旬でも同様な調整が起きており、その際は131円から126円台までの調整が起き、次の上昇スタートまで約1ヶ月の時間を要した。その際も今回も同様なのは、ドル指数の下落と連動していることだ。但し今回の下落は値幅が既に6円強で下落の傾きが急であるため、戻しの可能性も残りその場合は134円が上値の目途となりそうだ。5月高値の131.24は下値の目途になってくるが抵抗は強いと考える。前回は一目均衡表の雲を触らないまま上昇に転じたが、今回は雲の中まで入ってしまった。雲の下限までの下げであれば短期の調整と見なされるが、雲の下限を下抜けとなれば調整から下落へ転換する可能性もあり重要な局面になりそうだ。今後のドル指数がその方向性を決める役目となることで、ドル指数に大きな影響を与えている米国長短金利の動きが重要なポイントだ。
ロシアがウクライナに侵攻後最初の日銀金融政策決定会合が3月に開催され、日銀黒田総裁の記者会見で、今後も十分な緩和を継続するという強い意志を感じ取った市場がドル円118円台から徐々に円安へと動き139円台まで大きく上昇させた。その間のロングポジションの解消がなされ始めた可能性がある。この間、5月の初旬でも同様な調整が起きており、その際は131円から126円台までの調整が起き、次の上昇スタートまで約1ヶ月の時間を要した。その際も今回も同様なのは、ドル指数の下落と連動していることだ。但し今回の下落は値幅が既に6円強で下落の傾きが急であるため、戻しの可能性も残りその場合は134円が上値の目途となりそうだ。5月高値の131.24は下値の目途になってくるが抵抗は強いと考える。前回は一目均衡表の雲を触らないまま上昇に転じたが、今回は雲の中まで入ってしまった。雲の下限までの下げであれば短期の調整と見なされるが、雲の下限を下抜けとなれば調整から下落へ転換する可能性もあり重要な局面になりそうだ。今後のドル指数がその方向性を決める役目となることで、ドル指数に大きな影響を与えている米国長短金利の動きが重要なポイントだ。
ドル円の日足チャート

今週は経済統計が少ないが、米国の雇用統計が発表される。ADP雇用統計や失業率、時給推移など、FRBが関わる雇用に関しての数値は利上げに影響を及ぼす可能性もあるため、結果に対しての確認作業が重要となる。その他英国中銀の金融政策委員会では、0.5%の利上げが予想されている。