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欧州株:EPSは堅調、エネルギーセクターがかさ上げ

2022-07-27

■ 4-6月期決算発表は順調な滑り出し

■ エネルギーセクターが全体をかさ上げ、その他セクターは軟調


    欧州主要企業の決算発表が本格化している。金融情報会社リフィニティブの集計によれば、ストックス欧州600指数構成企業のうち19日までに45社が4-6月期決算発表を行い、このうち60%の企業が事前予想を上回る一株あたり利益(EPS)を発表。2011年以降の平均(約53%)を上回るポジティブサプライズとなっており、順調な滑り出しと評価できる。今週中に101社が決算発表を予定しており、金融大手など主力企業が数多く含まれ、早くも山場を迎える。4-6月期のEPSは前年比22.1%増になると見込まれ、6月末時点(同約15%増)から大きく上方修正されており、企業利益の堅調さが株価を下支えする構図が継続すると想定されている。

    ただ、4-6月期のEPS成長率に対するエネルギーセクターの寄与度は8割を超え、同セクターを除けば同3.3%増にとどまる。また、同セクターによる押し上げ効果は来年に入ると剥落し、ストックス欧州600指数全体の2023年1-3月期のEPSは同4.5%減になると見込まれている。指数全体のEPSはエネルギーセクターによりかさ上げされていると言え、先行きを見通すうえでは同セクター以外の企業業績が改善に向かうかが重要になる。インフレの影響を販売価格の引き上げなどにより吸収できる限り、業績拡大基調が保たれる可能性はある。ストックス欧州600指数構成企業の純利益率は10.0%と、過去2年間で約2.2%上昇しており、資源高や賃金上昇などコスト高にさいなまれる経営環境においても高い利益率を維持できるか注目される。
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