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ドル円:50日移動平均線に注目

2022-07-26

■ 日米金利差を踏まえれば、139円台前半まで上伸したドル円の過熱感は否めず

■ 日・ユーロ圏・米国の金融政策決定を経て、ドル円は50日移動平均線で下げ止まるか


  22日、ドル円は一時135円台後半まで急落し、2週間ぶりのドル安・円高の水準を付けた。6月の景気先行指数や7月のPMIが低下傾向にあるなか、米国の景気後退色が強まり、米連邦準備理事会(FRB)による大幅な利上げ観測が後退したことが主因。米国の10年債利回りは2.75%台前半、今後10年間の物価見通しを示す期待インフレ率(BEI*)は2.34%台前半へ急低下し、日米金利差が名目・実質ともに縮小傾向を強めている状況を踏まえれば、139円前半まで上伸したドル円相場の過熱感は否めず、米連邦公開市場委員会(FOMC)を26、27日に控えて、ドル安・円高の進行は理に適っているようにみえる。

  ドルインデックスも14日に109.29でピークアウトし、22日には106.11まで低下した。14日に1ユーロ=0.9950ドルと20年ぶりのパリティ(等価水準)を割り込んだユーロの反発にも注視しつつ、その手掛かりを50日移動平均線に求めると、ユーロ円は同移動平均線(139円61銭)を下抜けるユーロ安・円高が進行中。一方、豪ドル円は同移動平均線(93円08銭)を上回る豪ドル高・円安水準にあり、足元のドル円の下落は全面的な円買いに伴うドル売りではない側面もうかがえる。日銀が現行の金融緩和策の枠組みを堅持していることに鑑みれば、円高は一時的であると判断されるが、6月14、15日開催のFOMC以降続いたドル高の調整が進むなか、足元のドル円下落の終着点が50日移動平均線133円55銭(22日時点)となるか注目したい。

*:一般的に国債の名目金利と物価連動債の利回りを差し引いた値で算出

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