RBA議事要旨:利上げは漸進的に進める方針
2022-07-21
■ 足元の雇用・物価情勢を踏まえると、政策金利の水準は極めて低いとRBAは認識
■ 金利上昇が及ぼす企業・家計のリスクを踏まえ、RBAは0.50%の利上げ幅を刻み続けよう
19日、豪中銀(RBA)は5日に開催した理事会の議事要旨を公表。同理事会では政策金利を0.85%から1.35%へ引き上げたが、0.25%の利上げ幅も検討されたことが明らかにされた。ただ、「ひっ迫した労働市場や物価高に直面している経済を踏まえると、金利水準は極めて低い」と指摘した。また、金融政策の姿勢を評価する一つのベンチマークとして、景気を刺激も抑制もしない「中立金利」についても議論。インフレ期待が十分に固定され、インフレ高進が一時的であることが重要との認識が示された。1.35%の政策金利は推計される名目中立金利の低いレンジを大幅に下回っていると判断しており、さらなる利上げの必要性を示唆しているという。
昨日はブロックRBA副総裁がスピーチで、住宅ローンの固定金利など家計の返済負担が増加するリスクを踏まえ、追加利上げのペースや幅に影響すると、政策運営に慎重な一面をのぞかせた。ただ、「家計の貯蓄は2600億豪ドルに達しており、住宅ローンの金利上昇に対応できる」との考えで、追加利上げに理解を求めた。ロウRBA総裁は今朝のスピーチで、「インフレ高進が企業や家計のインフレ期待に影響を及ぼさないことが重要だとして、政策金利は少なくとも2.5%の中立水準まで上昇する必要があるかもしれない」と述べた。来週27日に公表される4-6月期の消費者物価指数は一段と伸びが加速する公算が大きい。また、28日公表の輸出・輸入物価で交易条件の改善が維持されれば、RBAは8月2日の理事会でも3会合連続で0.50%の利上げ幅を決定しよう。