NZ中銀:大幅かつ早期利上げを継続へ
2022-07-13
■ NZも物価高騰と景気減速のリスクをはらむが、NZ中銀は13日会合でも50bpsの利上げへ
■ 物価高は4-6月期をピークに鈍化すると予測、今後も引き締めを急ぐか声明にも注目
ニュージーランド(NZ)中銀(RBNZ)は13日に金融政策会合を開く。5月25日の前回会合では2会合連続で50bpsの利上げを決定し、政策金利(オフィシャル・キャッシュ・レート、OCR)を1.5%から2.0%に引き上げた。同時公表した金融政策ステートメントの最新経済見通しによれば、4-6月期の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年比7.0%と前期(前年比6.9%)から加速すると予測。ただ、この期をピークに7-9月期は同6.2%、10-12月期は同5.5%へ伸びが鈍化し、2023年7-9月期以降は物価目標(1-3%)内に収まると見込む。
1-3月期の実質GDPは前期比0.2%減と前期(同3.0%増)から減速、RBNZ予想(同0.7%増)を下振れる2四半期ぶりのマイナス成長となった。個人消費は堅調だったものの、外国人の入国制限や農産品の輸出伸び悩みがマイナスに寄与した。すでに、新型コロナウイルス感染拡大による規制は緩和されており、4-6月期には同1.3%増へ持ち直すものの、中国・豪州との貿易に対する依存度は高く、世界的に景気後退懸念が強まるなか、7-9月期以降は1.0%増を下回る低成長にとどまるとRBNZは見込む。
NZも物価高騰と景気減速のリスクをはらむが、政府は2023年度(2022年7月-2023年6月)予算案で、燃料・道路利用税の軽減措置延長や低中所得者に対する一時金支給など、生活費負担軽減策を発表済み。RBNZは大幅かつ早期引き上げを示唆し物価安定を目指す。13日会合でも6会合連続で利上げを決定し、政策金利を2.0%から2.5%へ引き上げる公算が大きい。18日公表の4-6月期CPI、8月3日公表の同雇用統計がRBNZ予測を上振れれば、8月17日の会合でも50bpsの追加利上げが決定されよう。同時公表の金融政策ステートメントで既出の政策金利見通し(2022年末:3.4%、2023年末:3.9%)が引き上げられるか注目。