RBA理事会:家計消費に目配りしつつ利上げ継続へ
2022-07-07
■ RBAは2会合連続で50bpsの利上げを決定、今後も引き締め姿勢を継続していく構え
■ 物価高と金利上昇が及ぼす家計消費の先行きに不透明感は漂う、19日公表の議事要旨に注目
豪中銀(RBA)は5日の理事会で、政策金利を0.50%引き上げ1.35%とした。50bpsの利上げは2カ月連続。声明文では、「インフレ率は年内にピークを打つ(Inflation is forecast to peak later this year)」と予測し、6月の文言「さらに上昇する見通し(Inflation is expected to increase further)」が修正された。ただ、「来年には2-3%のレンジに向かって再び低下すると予想される」との見解は変わらず。また、「向こう数カ月の間に、オーストラリアの金融情勢を正常化するプロセスで、さらにステップを踏むと見込んでいる」、「理事会はインフレ率が徐々に目標値に戻ることを確実にするため、必要なことを行う」と引き締め継続の意向を示した。
景気見通しについても従来通り。RBAは、引き続き豪経済は底堅いとの認識だが、家計消費の動向が景気先行きを不透明にしている要因の一つだとして、細心の注意を払っていくとした。1-3月期の家計貯蓄率は11.4%とコロナ禍前の2019年10-12月期(7.0%)を上回っているものの、2020年4-6月期(23.7%)をピークに伸びは鈍化。一方、可処分所得(住宅ローン含む)に占める家計債務比率は187.2%と上昇傾向が強い。5月の小売売上高が高い伸びとなるなど家計消費は足元で堅調だが、豪大手2行は6月末に住宅ローンの固定金利を引き上げており、先行きには不透明感が漂う。RBAは、「金利引き上げの規模とタイミングは、今後発表される各種データやインフレと労働市場の見通しに関する理事会の評価によって決定される」と説明しており、19日公表の理事会議事要旨で詳細が明らかになるか注目される。なお、金利市場が織り込む8月2日の次回理事会の利上げ幅は25bpsに縮小している。