日本経済の見通し
2022-06-30
■ 経済:家計の体感物価上昇が続く
■ 国債:方向感を見出しにくい展開が続こう
■ 国債:方向感を見出しにくい展開が続こう
5月の全国消費者物価指数(CPI)では、生鮮食品除くコアCPI(前年比2.1%上昇)は前月と同等の伸びが続き、2カ月連続で日銀の物価目標である2%を上回った。電気代、ガソリン代などエネルギーの上昇が若干和らいだものの、前月に引き続き指数を1%超押し上げた。また、生鮮食品を除く食品や家庭用耐久財などの上昇ペースは加速しており、家計が体感する物価上昇は数値以上に高いことがうかがえる。
6月のPMI速報値は、製造業(52.7、前月比0.6ポイント低下)は3カ月連続で低下した一方、サービス業(54.2、同1.6ポイント上昇)は4カ月連続で上昇した。製造業は、原燃料価格高騰の影響で業況拡大の勢いが鈍化しているものの、サービス業では3月以降の経済活動再開による需要増の恩恵が続いており、業況拡大の勢いが強まっている。ただし、今後は円安、原燃料価格上昇の影響が一段と強まるため、徐々に勢いは鈍化することが見込まれる。
10年国債はほぼ変わらず。日銀が前週末の金融政策決定会合で政策維持を決定したほか、連続指し値オペの対象を拡大したことで、政策修正への思惑が後退した。先物市場が波乱含みのなか、5年、20年国債入札を無難に通過したことも相まって、本邦10年国債利回りには下押し圧力がかかりやすい地合いが続いた。
主要国中銀の金融引き締めによる景気減速懸念に市場の焦点が移りつつある。本邦国債市場でも買いの勢いが増す可能性はあるものの、国内経済は相対的に堅調に推移することが見込まれ、買いの勢いは強まりにくいと思われる。10年国債利回りは引き続き0.20%付近の水準では下げ渋る動きになるとみて、方向感を見出しにくい展開が続くだろう。