株式市場の見通し
2022-05-04
■ 米国株 ≫ FOMCが株価の逆風を強めるおそれ
■ 欧州株 ≫ 投資環境の変化により株価動向は複雑化
ダウ平均は5週続落、S&P500は4週続落。中国で都市封鎖の対象範囲が拡大する可能性が高まり、需要の鈍化や供給制約により米企業業績が圧迫されるとの懸念が強まった。主要企業の決算発表を手掛かりに個別銘柄を物色する動きが続いたが、米大手ハイテク企業が示した売上高見通しは期待外れとの見方が強まり、週末に急落した。
今週もS&P500構成企業のうち160社が1-3月期決算発表を行う予定だが、投資家の関心は米金融政策の先行きに移行しよう。人件費や物価の伸びが高止まりするなか、積極的な金融引き締め姿勢が示される公算が大きく、相対的に割高に評価されやすい成長株には逆風が強まる可能性も。
ストックス欧州600指数は3週続落。中国国内の都市封鎖や米国の金融引き締めペース加速により世界的な景気減速につながるとの懸念から、幅広い銘柄が売られた。中国で景気下支え策が打ち出されるとの期待が高まったほか、原油先物価格(WTI)の上昇を受けて資源株が買われ、週末にかけて下げ幅を縮小。
中国経済の先行き不透明感がドイツ企業の業績圧迫懸念を強める一方、資源価格の上昇は英国のエネルギー企業にとっては業績改善期待につながるなど、投資環境は同指数の動向に複雑な影響を及ぼす公算が大きい。企業業績見通しの下方修正圧力は時間の経過とともに強まることが想定され、株価の足かせとなると思われる。