2022年5月第1週目(2日~6日)の相場展望
2022-05-02
今週日本はゴールデンウイーク中で、注文が減少していることで流動性が少ないことから、外部環境の急変等があると円相場や日経先物相場が乱高下する可能性がある。日銀は先週の金融政策決定会合で前回とほぼ変わらずの政策を維持したことでドル円が急騰し、128円台半ばから130円手前まで上昇し、しばらくもみ合ったあとに130円を突破した。黒田総裁の記者会見では、記者からの質問は前回とあまり変わらず、「こんな円安でインフレはどうするの?」という質問が多かった。総裁も前回と同様のコメントで躱し、引き続き低金利政策に努めていくということ。ドル円は、130円台で徐々に値を上げていき、高値は130.66付近まで達した。連続指値オペで0.25%を維持することにも何度も説明があり、基本姿勢には全く変化がなしということがドル円の上昇をサポートした。日本では円安からの悪影響への報道が日に日に増している。しかしそろそろ海外でのモノづくりが日本に移行し、日本での生産と輸出企業は徐々に動きだすかもしれない。そうなると人でも不足するので給与を上げる必要が出てくる。海外からの人材も取り込むことは必至となるため、人口増に繋がってくる。円安の悪影響は分かるが、先を見ていく必要があるのではないだろうか。岸田首相が物価高への財政出動を機動的に行ったことは、とてもタイムリーであり機動的だったと感じている。
日銀金融政策決定会合後にじりじりと値を上げたドル円はその日に131.24の高値を付けた。週末に掛けては利食いに押されて129円台の前半まで下げた。週明けは130円台を挟んでのもみ合いとなっており、日本のゴールデンウイーク中に再度高値更新の可能性が残る。米国金利はこのところ長期金利より短期債利回りが上昇しており、次回FOMCでの0.5%の利上げを織り込む形となっている。それ以降も利上げに積極的だが長期金利は3%手前でもみ合っている様子。米国債への買い需要も多いようだ。ドル円に関しては、ドル高だけではなく円安も加味して上昇していると思われる。短期的には129-132円付近がターゲットと考えていたのでここから上に跳ねるにはやや調整が必要か。GWの最中で一時的に132円はあっても行き過ぎと感じており、数週間の調整があってもおかしくはない。上昇トレンドの下値サポートは127円後半にあり、一日に約30ポイントずつ上昇している。上昇の傾きがやや急であるため、このままラインに沿って動き続けるとは想定しづらい。どこかでこのラインを割り込み調整に入るであろう。下値サポートは129.40、128.75でその下にトレンドラインが待っている。調整にはこれらを徐々に下に抜いていくと125-130の大きなレンジ幅での推移となりそうだ。もしこのまま高値更新を続けるとすれば、トレンドラインを底値に上がっている可能性もあり、132円、135円に向けての動きとなるだろう。しかしその後は上昇一服の公算が大きいと思っている。
日銀金融政策決定会合後にじりじりと値を上げたドル円はその日に131.24の高値を付けた。週末に掛けては利食いに押されて129円台の前半まで下げた。週明けは130円台を挟んでのもみ合いとなっており、日本のゴールデンウイーク中に再度高値更新の可能性が残る。米国金利はこのところ長期金利より短期債利回りが上昇しており、次回FOMCでの0.5%の利上げを織り込む形となっている。それ以降も利上げに積極的だが長期金利は3%手前でもみ合っている様子。米国債への買い需要も多いようだ。ドル円に関しては、ドル高だけではなく円安も加味して上昇していると思われる。短期的には129-132円付近がターゲットと考えていたのでここから上に跳ねるにはやや調整が必要か。GWの最中で一時的に132円はあっても行き過ぎと感じており、数週間の調整があってもおかしくはない。上昇トレンドの下値サポートは127円後半にあり、一日に約30ポイントずつ上昇している。上昇の傾きがやや急であるため、このままラインに沿って動き続けるとは想定しづらい。どこかでこのラインを割り込み調整に入るであろう。下値サポートは129.40、128.75でその下にトレンドラインが待っている。調整にはこれらを徐々に下に抜いていくと125-130の大きなレンジ幅での推移となりそうだ。もしこのまま高値更新を続けるとすれば、トレンドラインを底値に上がっている可能性もあり、132円、135円に向けての動きとなるだろう。しかしその後は上昇一服の公算が大きいと思っている。
ドル円1時間チャート
先週ロシアが核兵器使用を匂わせる高官コメントがあり、中国で主要都市の上海に続き北京もロックダウンが行われるかという不安感が市場でまん延し、香港や上海の株式相場は大きく下落した。米国でも5月のFOMCで0.5%の利上げは織り込んだものの、その後の利上げピースが早まるとの見方からドル買いが進行し、株価は大きく下落した。金利敏感のナスダックのみならず、ダウ平均も26日には一時1000ドル安に見舞われ(引けは約800ドル安)たことで、インパクトのある1000ドルという下落幅がその翌日のアジア市場では影響を及ぼしたようで、アジア全体の株価も大きく下押しした。
ドル指数は先週大きく上昇し、101台後半から103の半ばで一気に跳ね上がった。103という水準は2020年3月の新型コロナ危機が始まった時期にリスク警戒で付けた時と2017年に同じ程度のレベルまで上昇した時と並ぶ水準である。2017年の時もリーマンショック後の超低金利を適正水準に戻していく途中の利上げ継続の途中であった。2020年の高値が103.95であるためもう少しで2003年以来の高値更新に達する。そのドル高がユーロドルへの下落に繋がっていることも鮮明だ。1.08をしっかり下抜けたことで2016年からの上昇トレンドが崩れた。2016年以降は下値を少しずつ切り上げて底値を固めるような動きであったが、ここにきて下押しトレンドに変わった可能性が大きい。2016年末の1.0339が次なるターゲットとなってくる。1.05台での推移となっている今はただ25日移動平均線との乖離幅が大きくなっておりやや買戻しの可能性も出てきそうだ。しかし1.07半ばまで戻るのは簡単ではない。
ユーロドル日足チャート


先週ロシアが核兵器使用を匂わせる高官コメントがあり、中国で主要都市の上海に続き北京もロックダウンが行われるかという不安感が市場でまん延し、香港や上海の株式相場は大きく下落した。米国でも5月のFOMCで0.5%の利上げは織り込んだものの、その後の利上げピースが早まるとの見方からドル買いが進行し、株価は大きく下落した。金利敏感のナスダックのみならず、ダウ平均も26日には一時1000ドル安に見舞われ(引けは約800ドル安)たことで、インパクトのある1000ドルという下落幅がその翌日のアジア市場では影響を及ぼしたようで、アジア全体の株価も大きく下押しした。
ドル指数は先週大きく上昇し、101台後半から103の半ばで一気に跳ね上がった。103という水準は2020年3月の新型コロナ危機が始まった時期にリスク警戒で付けた時と2017年に同じ程度のレベルまで上昇した時と並ぶ水準である。2017年の時もリーマンショック後の超低金利を適正水準に戻していく途中の利上げ継続の途中であった。2020年の高値が103.95であるためもう少しで2003年以来の高値更新に達する。そのドル高がユーロドルへの下落に繋がっていることも鮮明だ。1.08をしっかり下抜けたことで2016年からの上昇トレンドが崩れた。2016年以降は下値を少しずつ切り上げて底値を固めるような動きであったが、ここにきて下押しトレンドに変わった可能性が大きい。2016年末の1.0339が次なるターゲットとなってくる。1.05台での推移となっている今はただ25日移動平均線との乖離幅が大きくなっておりやや買戻しの可能性も出てきそうだ。しかし1.07半ばまで戻るのは簡単ではない。
ユーロドル日足チャート

今週はいよいよFOMCが開催される。市場の大方の予想の0.5%の利上げが実施されそうだ。またバランスシートの縮小が今回実行されるのかが注目点だ。その後の定例記者会見は、このところウェブ開催となっていたが久しぶり面前での会見となる。FRBがタカ派姿勢を強めることの警戒感から米国株が急落しており、金利敏感株の多いナスダック指数は今年最安値を更新した。ロシアのウクライナ侵攻後に一旦安値を付け大きく戻して長い髭が出現していたが、それを一気に帳消しにするような非常に弱い動きがチャート上で表れている。会見での今後の金利引き上げへの姿勢とバランスシート縮小度合い次第では、一段安となる可能性も秘めていることが非常に気になる点である。今回の利上げ幅は織り込んでおり、年内約3.25%までは8割程度織り込み済と思われる。決定発表後のパウエル総裁記者会見時での動きが激しくなりそうだ。日本はゴールデンウイーク中であるため、注文が減少する円相場の動きも拡大しそうだ。それ以外でも米国のISM製造業景況指数や雇用統計、英国の金利政策発表などイベントが目白押し。日本や中国が休みの間、欧米中心のイベントで右往左往するだろう。またロシアのウクライナ侵攻でも東部2州をほぼ制圧しており、また勝手にルーブル流用を開始すると発表していることで西側の反発が大きくなる懸念もあり引き続き注意は必要だろう。