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南アフリカ中銀:利上げ姿勢の継続が見込まれる

2022-03-28

■ 南ア中銀は3会合連続で利上げを実施したうえ、一部の委員は0.50%幅の利上げを主張した

■ 物価上昇へ対応する姿勢が明確になり、今後も南ア中銀は利上げを継続するとみられる


本稿では、3月24日に開催された南アフリカ中央銀行(以下、南ア中銀)の金融政策決定会合の結果を整理する。南ア中銀は、今回の政策会合で主要政策金利のレポレートを従来の4.00%から4.25%へ引き上げ、利上げは3会合連続に。今会合の決定は3対2の票決だったが、反対した2名の委員は0.50%幅の利上げを主張。票決で反対した委員が据え置きを提案した前会合との違いは明確だ。南ア中銀は利上げ姿勢を継続するとみられる。

背景には、南ア中銀の物価上昇率見通しの上方修正が挙げられる。ウクライナ情勢の激化が原油価格上昇につながり、原油輸入国である南アフリカに悪影響を及ぼしたほか、食品価格の押し上げが寄与している。今年の物価上昇率見通しは前年比5.8%と、1月時点の同4.9%から上方修正された。また、ハニャホ南ア中銀総裁は、「南ア中銀の物価目標レンジ(同3-6%)を、今年4-6月期に上回る」との予想を発表した。前会合後の同総裁は「物価上昇率が6%を超えることは想定せず」と述べていたことを踏まえると、南ア中銀は物価上昇に対する警戒姿勢を明確にしたと言えよう。3月23日に発表された2月の南ア消費者物価指数(CPI)上昇率は、同5.7%と2017年5月以来となる高水準圏を維持している。

なお、南ア中銀と同じ3月24日に金融政策決定会合を行ったメキシコ中銀も、政策金利を従来の6.00%から6.50%へ引き上げた。これで利上げは7会合連続。2月のメキシコ消費者物価指数(CPI)上昇率が過去20年間の最高水準を更新しており、物価上昇に対応した利上げ姿勢を明確にしている。直近では米連邦準備理事会(FRB)による物価抑制を優先させた政策姿勢転換が金融市場でクローズアップされているが、FRBに限らず、多くの中央銀行が物価上昇への対応に苦慮する姿が浮き彫りになっている。

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