英中銀:2月MPC以降、一段と利上げへ前のめりに
2022-03-16
■ 金融市場は、3月MPCを含めて、9月までに1.50%から1.75%への利上げ実施を織り込む
前回2月MPCからの約1カ月半の間で、金融市場を取り巻く環境は変化した。2月24日からロシア軍がウクライナ侵攻を開始したうえ、英国を含む欧米諸国とロシアの間では制裁合戦となっている。また、エネルギー価格は一段と上昇しており、インフレ高進への懸念が高まったと同時に、景気に対する悪影響も増大するとの思惑も、市場でくすぶっている状況にある。
そうしたなか、英国の短期金融市場ではBOEが積極的な利上げ姿勢を維持するとの見通しが織り込まれている。本稿執筆時点で、今年9月のMPCまでに政策金利を1.50%から1.75%へ引き上げるとの見通しが優勢だ。これは、2月MPCで9名中4名の委員が0.50%幅の大幅利上げを主張した点が大きいとみる。また、2月16日に公表された1月の英消費者物価指数(CPI)上昇率は前年比5.5%へ伸びが加速し、1992年3月以来の大幅上昇を記録。3月15日に公表される1月の英雇用統計で賃金の伸びが一段と加速した場合、市場で賃金と物価がスパイラル的に上昇するとの思惑が広がり、BOEに対する利上げ見通しが強まりそうだ。
ベイリーBOE総裁は、2月23日時点ですでに、「インフレ率がBOEの予測を上回るリスクがある」と述べ、インフレ高進への警戒を示している。そのほかにも、ソーンダースBOE委員とマンBOE委員は、3月1日に「インフレ抑制のため、BOEの迅速な行動が必要」と主張し、3月MPCでの追加利上げへの支持を表明した。また、カンリフBOE副総裁やテンレイロBOE委員は、ウクライナ情勢がもたらすエネルギー価格高騰によるインフレ高進への懸念を示した。
BOEが積極的な利上げ姿勢を維持した場合、日銀との金融政策姿勢の違いはポンド円の支えとなろう。英景気の下振れリスクの高まりが上値を抑える要素として残るものの、当面の間、週足一目均衡表の雲上限(151円60銭)付近では底堅さが確認されると予想する。
■ ベイリーBOE総裁をはじめ、エネルギー価格高騰によるインフレ高進への警戒感は強い
前回2月MPCからの約1カ月半の間で、金融市場を取り巻く環境は変化した。2月24日からロシア軍がウクライナ侵攻を開始したうえ、英国を含む欧米諸国とロシアの間では制裁合戦となっている。また、エネルギー価格は一段と上昇しており、インフレ高進への懸念が高まったと同時に、景気に対する悪影響も増大するとの思惑も、市場でくすぶっている状況にある。
そうしたなか、英国の短期金融市場ではBOEが積極的な利上げ姿勢を維持するとの見通しが織り込まれている。本稿執筆時点で、今年9月のMPCまでに政策金利を1.50%から1.75%へ引き上げるとの見通しが優勢だ。これは、2月MPCで9名中4名の委員が0.50%幅の大幅利上げを主張した点が大きいとみる。また、2月16日に公表された1月の英消費者物価指数(CPI)上昇率は前年比5.5%へ伸びが加速し、1992年3月以来の大幅上昇を記録。3月15日に公表される1月の英雇用統計で賃金の伸びが一段と加速した場合、市場で賃金と物価がスパイラル的に上昇するとの思惑が広がり、BOEに対する利上げ見通しが強まりそうだ。
ベイリーBOE総裁は、2月23日時点ですでに、「インフレ率がBOEの予測を上回るリスクがある」と述べ、インフレ高進への警戒を示している。そのほかにも、ソーンダースBOE委員とマンBOE委員は、3月1日に「インフレ抑制のため、BOEの迅速な行動が必要」と主張し、3月MPCでの追加利上げへの支持を表明した。また、カンリフBOE副総裁やテンレイロBOE委員は、ウクライナ情勢がもたらすエネルギー価格高騰によるインフレ高進への懸念を示した。
BOEが積極的な利上げ姿勢を維持した場合、日銀との金融政策姿勢の違いはポンド円の支えとなろう。英景気の下振れリスクの高まりが上値を抑える要素として残るものの、当面の間、週足一目均衡表の雲上限(151円60銭)付近では底堅さが確認されると予想する。