中国:「経済の安定」の意味合いは前年から大きく変化
2022-03-10
■ 2022年の成長率目標は引き下げられたものの、足元からの成長再加速を目指している
全体としては、前年までと同様に「経済の安定」を最優先させる方針が掲げられ、景気の急減速を回避するために財政・金融政策による景気下支えを重視する姿勢が明確となっている。ただ、マクロプルーデンス政策を重視し、景気過熱や信用膨張の抑制に主眼を置く方針を掲げていた前年とは、「経済の安定」が示す意味合いは180度異なる。中国では、今秋、5年に1度開催される第20期中国共産党全国代表大会の開催を控えており、習国家主席は鄧小平氏が定めた「2期10年まで」の慣例を破る3期目の国家主席就任を目指している。外部環境の不透明感が強まるなか、少なくとも今秋までは、前年の企業・富裕層への締め付けに象徴されるような構造改革が優先される可能性は低いと考えられる。
■ 「経済の安定化」の意味合いは前年とは異なり、構造改革が優先される可能性は低そうだ
全体としては、前年までと同様に「経済の安定」を最優先させる方針が掲げられ、景気の急減速を回避するために財政・金融政策による景気下支えを重視する姿勢が明確となっている。ただ、マクロプルーデンス政策を重視し、景気過熱や信用膨張の抑制に主眼を置く方針を掲げていた前年とは、「経済の安定」が示す意味合いは180度異なる。中国では、今秋、5年に1度開催される第20期中国共産党全国代表大会の開催を控えており、習国家主席は鄧小平氏が定めた「2期10年まで」の慣例を破る3期目の国家主席就任を目指している。外部環境の不透明感が強まるなか、少なくとも今秋までは、前年の企業・富裕層への締め付けに象徴されるような構造改革が優先される可能性は低いと考えられる。