2022年2月4週目(21日~25日)の相場展望
2022-02-21
ロシアのウクライナ侵攻が絶好の期間に入ったことで、様々な報道がなされ市場はニュースによって乱高下している。市場は、侵攻をある程度は織り込みつつあり、株価の下落や原油や金価格の上昇が大きくなってきた。株価の下落は、ウクライナ侵攻ではなく米国金利の引き上げが上値を抑えている部分も大きく、下落の動きが顕著になっているところにウクライナ侵攻のタイミングが訪れており、それが原油価格も上昇させインフレにも繋がっている。株価には、企業業績以外は悪材料ばかりである。ウクライナ問題からの影響は一時的であって、利上げ幅への思惑や住宅担保証券(MBS)や財務省証券である保有国債の縮小すること=量的引き締め(QT)双方の度合いがマーケットの中心テーマであることは変わっていない。
先週末時点では、3月FOMCで0.25%の利上げがほぼ67.3%、0.5%までの引き上げ予想は32.7%となっており、0.25%幅が優勢だが意見は分かれているように思える。0.25%利上げに加えてQTの実施が早めになるのか、それとも0.5%実施し今後の予定を知らせる程度なのかはまだ不透明だ。議事要旨では、参加者は総じて「17~19年までの保有資産の縮小よりも速いペースでの実施が正当化される」と論じた。米国債などの再投資を徐々に減らす形を中心に想定しつつ、多くの参加者は「将来のある時点で住宅ローン担保証券(MBS)を売却する」ことも含めて検討することに言及した程度である。先週発表されたフィラデルフィア連銀景気指数によると、半年後には供給量の回復が予想されており、供給が戻ってくると物価高を冷ますことになるので、利上げ幅や回数も影響されるはず。今後、米国の生産関連指数の結果は重要であろう。またバイデン大統領の就任前から継続して上昇している原油価格などの資源価格や通貨の派生商品としてクローズアップされている仮想通貨の台頭も、利上げによってある程度抑えることも可能だけに理に叶っているが、株価が大きく下げても利上げを推進するのかは疑問だ。予想では年前半に大きめの利上げで物価へ警告を鳴らし、住宅投資を控えさせ、供給サイドの回復を待って利上げ幅や回数を調整していく方向性が予想される。市場が大きく動揺したときにFRBがどう動くつもりなのか、今後の課題となってきそうだ。
金はウクライナ情勢の悪化でリスクオフとなり安全資産購入となって高値を更新し、1900ドル台に乗せた。2020年からの下落トレンドラインの上限を上に抜けて加速して上昇している。昨年5月の高値である1916ドルが次のターゲットとなる。また平行の上昇トレンドラインを描くこともでき、その抵抗は1926ドルから1928ドルの間にあり、その2か所をブレイクするのはロシアがウクライナに侵攻した場合で一時的あろう。ATRチャネルの線、黄ラインには接触していて売りゾーンの可能性も大きいが緊急時なので赤ラインまでの上昇は考えられる。赤ラインに接近すると売りが強まると思われるので、吹き上がる場合はそこまで引き付けての売りが功を奏するのではないだろうか。基本的には米国での利上げが圧迫していき、基本的には1900ドルから上は売りゾーンと考えている。下値は1886ドル、1850ドル付近に抵抗がありそうだ。兎にも角にも、戦時の動きとなると変動幅が大きくなるので、売買する際には証拠金を多めに積んでおくことが必要かと思われる。
先週末時点では、3月FOMCで0.25%の利上げがほぼ67.3%、0.5%までの引き上げ予想は32.7%となっており、0.25%幅が優勢だが意見は分かれているように思える。0.25%利上げに加えてQTの実施が早めになるのか、それとも0.5%実施し今後の予定を知らせる程度なのかはまだ不透明だ。議事要旨では、参加者は総じて「17~19年までの保有資産の縮小よりも速いペースでの実施が正当化される」と論じた。米国債などの再投資を徐々に減らす形を中心に想定しつつ、多くの参加者は「将来のある時点で住宅ローン担保証券(MBS)を売却する」ことも含めて検討することに言及した程度である。先週発表されたフィラデルフィア連銀景気指数によると、半年後には供給量の回復が予想されており、供給が戻ってくると物価高を冷ますことになるので、利上げ幅や回数も影響されるはず。今後、米国の生産関連指数の結果は重要であろう。またバイデン大統領の就任前から継続して上昇している原油価格などの資源価格や通貨の派生商品としてクローズアップされている仮想通貨の台頭も、利上げによってある程度抑えることも可能だけに理に叶っているが、株価が大きく下げても利上げを推進するのかは疑問だ。予想では年前半に大きめの利上げで物価へ警告を鳴らし、住宅投資を控えさせ、供給サイドの回復を待って利上げ幅や回数を調整していく方向性が予想される。市場が大きく動揺したときにFRBがどう動くつもりなのか、今後の課題となってきそうだ。
金はウクライナ情勢の悪化でリスクオフとなり安全資産購入となって高値を更新し、1900ドル台に乗せた。2020年からの下落トレンドラインの上限を上に抜けて加速して上昇している。昨年5月の高値である1916ドルが次のターゲットとなる。また平行の上昇トレンドラインを描くこともでき、その抵抗は1926ドルから1928ドルの間にあり、その2か所をブレイクするのはロシアがウクライナに侵攻した場合で一時的あろう。ATRチャネルの線、黄ラインには接触していて売りゾーンの可能性も大きいが緊急時なので赤ラインまでの上昇は考えられる。赤ラインに接近すると売りが強まると思われるので、吹き上がる場合はそこまで引き付けての売りが功を奏するのではないだろうか。基本的には米国での利上げが圧迫していき、基本的には1900ドルから上は売りゾーンと考えている。下値は1886ドル、1850ドル付近に抵抗がありそうだ。兎にも角にも、戦時の動きとなると変動幅が大きくなるので、売買する際には証拠金を多めに積んでおくことが必要かと思われる。
XAUUSD(金)日足チャート
ドル円は先週発表の貿易収支で約2兆円強の赤字となった。輸出は6.3兆円ほど増加したが、原油高が影響して約8年ぶりで過去2番目の赤字幅となった。為替相場は反応が薄く、若干円安気味にはなったがウクライナ問題を注視した相場付きが続いている。米国FRBや欧州ECB、また英国BOEなど先進国の中銀がインフレストップで利上げ方向に動いており、長期金利差がじりじりと拡大し始めているにも関わらず今のところは円安が限定的となっている。しかし為替相場変動の基本軸である、金利差と貿易差があるだけにリスクオフからの円高は良い買い場になると考えている。今日現在は115円を挟んでの取引が続いていて、未だに大きく動く感じにはなっていない。しかしリスクの種が摘み取られると、直近の高値である116.33を一旦のターゲットとして上昇していくのではないだろうか。下値は一目均衡表の雲に支えられながら上昇し、4月までには117円台を想定している。一応の下値目途は一目均衡表の雲の下限とである114.40付近である。

ドル円は先週発表の貿易収支で約2兆円強の赤字となった。輸出は6.3兆円ほど増加したが、原油高が影響して約8年ぶりで過去2番目の赤字幅となった。為替相場は反応が薄く、若干円安気味にはなったがウクライナ問題を注視した相場付きが続いている。米国FRBや欧州ECB、また英国BOEなど先進国の中銀がインフレストップで利上げ方向に動いており、長期金利差がじりじりと拡大し始めているにも関わらず今のところは円安が限定的となっている。しかし為替相場変動の基本軸である、金利差と貿易差があるだけにリスクオフからの円高は良い買い場になると考えている。今日現在は115円を挟んでの取引が続いていて、未だに大きく動く感じにはなっていない。しかしリスクの種が摘み取られると、直近の高値である116.33を一旦のターゲットとして上昇していくのではないだろうか。下値は一目均衡表の雲に支えられながら上昇し、4月までには117円台を想定している。一応の下値目途は一目均衡表の雲の下限とである114.40付近である。
ドル円の日足チャート


今週は北京五輪が閉幕したことと路面凍結時ということから好タイミングを迎えるロシアのウクライナ侵攻の可能性が高まる時期となる。今朝がた米国はロシアとの会談を条件付きで受け入れたが、米国バイデン大統領とロシアのプーチン大統領の会談で落ち着くとは考えにくい。侵攻のタイムリミットが近づく中で緊張の1週間となりそうだ。
経済指標は欧米英のPMI(景気指数)や米国の住宅価格指数。また米国の四半期GDP、物価関連では日本とフランスの物価指数などの発表が控える。ウクライナ問題が注目されているが、問題解決となるとその後の相場は経済の基本路線に戻っていくと想定され、景況感や物価などはしっかりと抑えていくことが重要であろう。