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日本市場の見通し

2022-02-17

■ 株式市場:方向感を見出し難い展開が続くだろう

■ 債券市場:日銀は強力な利回り上昇抑制策を実施

  1月の景気ウォッチャー調査では、現状判断DI(37.9、前月比19.6ポイント低下)、先行き判断DI(42.5、同7.8ポイント低下)ともに大幅低下となった。新型コロナオミクロン感染が急拡大し、家計、企業ともに景況感が大幅に悪化した。飲食関連、サービス関連での悪化が目立っており、感染拡大地域を対象にまん延防止等重点措置が導入され、活動が制限されることが強く影響していることがうかがえる。

  日経平均とTOPIXはともに反発。本邦主要企業の決算発表が続くなか、足元の業績や収益見通しが良好な銘柄に物色が向かった。ただ、相場全体を押し上げるには力不足で、日経平均が2万7500円を上回ると戻り売り圧力が強まった。

  今週で本邦主要企業の決算発表が概ね出揃う。先週末までに日経平均構成企業のうち約7割の企業が市場予想を上回る一株当たり利益(EPS)を公表しており、全体としては良好な結果と評価される。日経平均はウクライナ情勢への警戒感から週明けに2万7000円を割り込んだが、同水準では割安感が意識されよう。ただ、2万7500円を上抜けた水準では戻り売り圧力が強く、方向感を見出し難い展開が続くとみる。

  10年国債は下落(利回りは上昇)。欧米長期金利の上昇につれて、同利回りは0.2%台での定着を探る展開。日銀が許容変動幅の上限に設定している0.25%に接近し、口先介入や指値オペなどによるけん制に対する警戒感が強まったが、政策修正への思惑もくすぶり、利回り低下圧力は限定的となった。

  日銀は10日の取引終了後に、新発10年国債を対象に0.25%の利回りで原則として応札分をすべて買い取る指値オペを14日に実施すると発表した。日銀が長期金利の変動許容枠上限を死守する姿勢を示したことで、市場では利回り上昇圧力が和らぐ公算が大きい。ただ、国外の国債利回り上昇圧力は根強く、10年国債利回りは目先0.20-0.23%の狭いレンジで推移しよう。
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