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2022年2月3週目(14日~18日)の相場展望

2022-02-14

先週、日経平均オプション清算のSQまではそれまでに大きな下落となった指数の戻りを試すものとなり、おおよその短期ポジションは既に手仕舞っていたようでポジション調整で終始した。しかしその後の米国株下落に伴い、イベント後に再度下落し始めている。北京五輪が20日に終了することで、ロシアのウクライナ侵攻の好タイミングが近づきつつある。リスクオフポジション取りへ傾き始め、米国株がリードした形の世界の株価はリスク方向と同調している。

先週金曜日、サリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)が、ロシアは今すぐにでもウクライナに侵攻する可能性があると警告したことをきっかけにリスクオフの流れになり米国株安が進行。一方で米原油は一時94ドル台に上昇し、2.06%まで上昇した米10年国債利回りは1.94%台まで急低下した。今週は、米国株の下値までは乖離が大きいことで、直近の戻し高値との間での動きを予想するが、ウクライナ侵攻を懸念にやや下方向への動意が見られそうです。

為替は米国消費者物価指数の依然大きな伸びを示し、FRBからも再度インフレ警戒コメントが出たことで米国10年債利回りは2%を2019年8月以来、約2年半ぶりの高い水準まで上昇し、全般ドル買いに拍車がかかっています。ドル円は116円まで一時上昇したが、リスクオフ要因の売りに押されて115円台に戻している。今週は114-116円の大きめのレンジ相場となりそうです。ロシアがウクライナ侵攻となれば、米国債は変われ金利が低下してリスクオフ要因が強まり、一時的には114円前半までの可能性はあるだろう。ロシアのウクライナ侵攻へ路面が凍結しており、戦車等が展開するには絶好のタイミングが訪れています。平和の象徴である冬期オリンピック開催時であり、安心感も漂っていたが米国高官などのコメントから警戒感が増している。実行されると株価の下落より、米国株三指数の安値をターゲットに売りが嵩む可能性もあり、注意が必要となってくるだろう。



ドル円は、昨年後半あたりから一目均衡表の雲の中に入ると下げから反転し上昇するというパターンが継続しており、今日時点で114.96付近にある雲の上限が下のサポート、その下は雲の下限の114.42付近が強いサポートとなりそうだ。もし実際ロシアがウクライナに侵攻となれば一時的にせよこれらのサポートを割り込む可能性はあるが、下値トライがあっても114円半ばまでの戻りを予想している。ただ侵攻が制限されたり、無かったりする場合は、来月のFOMCを睨み雲に支えられた堅調相場が継続すると考える。その場合は116円35-40付近までのじり高基調を予想する。

ドル円日足チャート


ウクライナ侵攻への景観感から、原油相場は先週末に再度高値を取ってきており、100ドルが現実味を帯びている。昨年末から移動平均線を調整してみると同15日線がサポートとなっている形となっており、どうもこの上昇ラインの割り込みがあると上昇トレンドにやや緩みが見られると思われる。更に下には15日線とほぼ平行に上昇基調を続けている25日移動平均線があり、ほぼ連動して上昇している。この2つのラインが方向性の目途となっていることで今後注目していきたい。



国際エネルギー機関 (IEA) の2月月報によると、2022年の世界の石油需要見通しは日量1億60万バレルで前回の予想から同90万バレルの上方修正となった。2019年の推定需要が日量77万バレル上方修正されたことからその後の予測も大きく変更されていますが、2022年の需要の伸びは前年比日量320万バレル増で前回予想より同10万バレルの下方修正となった。2022年の世界の需給バランスは余剰に向かうものとみられているが、OPEC+ の供給量が予定を下回っていることが逼迫要因となるとも考えられます。米国商品先物取引委員会 (CFTC) が発表した2月8日時点の建玉報告では、ヘッジファンドによるWTI 原油先物の買い越し幅は前週比3.2%減で前回の拡大から再び縮小に転じています。昨年後半以降、買い越し幅は長期的な縮小傾向で需給面からの偏りは大きくはないことで一段高の可能性もありそう。要は大きな背景としては、世界的なCO2排出の制限と中東の思惑からの供給懸念があり、また今後新型コロナ後を睨んでの需要増があります。短期的にはウクライナ情勢が買いを促していることから、供給面を改善しないと現状のじり高基調は簡単に収まらない環境にあると考えます。

今週の予想高値は、拡大型トレンドラインの上値抵抗が93ドル台後半にあり、ボリンジャーバンド+3αのラインが今日月曜日時点94ドル後半レベルで推移中でこのレベルは毎日少しずつ上昇中なため、95ドルまでは強い抵抗となる。下値は15日移動平均線レベル88-89ドル付近のサポートとなる。戦火が開始すると一時的に100ドル上まで突っ込む可能性もあるが、利益確定の売り玉も多くなると思われるため、100ドルを維持するのは難しいと思われる。

WTIUSD(原油相場)日足チャート




今週のイベントとしては、米国で1月FOMCの議事要旨と小売売上高、また卸売物価指数(PPI)に注目したい。英国でも消費者物価指数が発表され今後の利上げ予想が高まる可能性もある。欧州ではドイツとEUでZEW景況感調査指数の発表がある。 全般にウクライナ侵攻を睨んでリスクオフからのクロス円売り+株価軟調の動きを想定している。米国のブラードセントルイス連銀総裁は7月までに1%の利上げ実施を望んでいるコメントがあり、長期金利は高止まりしそうでドルは強含みとなりそうでsう。
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