2022年2月2週目(7日~11日)の相場展望
2022-02-07
先週は、オーストラリアを皮切りに英国、欧州と金融政策の会合が持たれた。まずオーストラリア準備銀行は日本の公定歩合にあたるオフィシャルキャッシュレートを過去最低の0.1%に据え置いたが、債券買い入れの終了を決定した。但し、中銀総裁の会見では、早期利上げをけん制した形となった。一方英国では、前回の利上げ開始に続いて今回も同様に0.25%の利上げを行った。MPCメンバー9人のうち4人は0.5%の利上げを主張していることで今後の金利上昇にも含みが出ており、市場の予想では政策金利は5月までに1%達するとみているようだ。また欧州ECBは、ラガルド総裁がこれまでのコメントから急転換し、直近の高インフレという指標の結果に対しての警戒度の高さを示した。このタカ派への変り身でユーロドルは急上昇し、1.14台まで回復している。ECBは金融緩和を徐々に縮小し利上げは資産購入終了後とすると言明しているが、市場では年内の利上げも視界に入っているはず。これまでのトーンから大きく変わったことで、売り圧力が強かったユーロへの買戻しが強まっている。欧州は周回遅れでの利上げを模索することになるが、テーパリング開始は間違いなく、買戻しが開始されたユーロ相場の落ち着きどころを探る展開が今後続くであろう。今回のように中銀のスタンスが変更されたときは動きが大きくなる。
英国BOEが5月に政策金利1%とすること、欧州ECBの年内利上げ、米国ではFRBが年内5度の利上げをすることなど市場は想定済みで相場は動いている。しばらくは各国通貨や株式相場が落ち着くレベル探しの週となろう。中銀イベントで今後の政策目途が立ったことで、それを背景軸にして相場は動く。イベント通過で市場変動率であるボラティリティは徐々に低下していくと考えている。まだポジション調整などで数週間程度は動きの激しさが継続するだろうが、その後は徐々に市場は落ち着きを取り戻し、大きめのレンジ内で今後を模索する展開に代わっていきそうだ。売買の設定は、年末からは順張り設定が功を奏したが、今後はタイミングを計り商品ごとに逆張り設定に変化させていく戦術が有効となりそうだ。大きな変動が継続する可能性は、今後の新型コロナ感染が拡大したときであり、その時は中銀も変化せざるを得ないかもしれないので、新型コロナ感染度合に目を配っていくことは変わらない。中銀スタンスが今後変化する理由となりそうなのはまずインフレであり、そのボトルネックとして供給度合が背景にある。物価指数の結果や半導体生産度などから相場が動意づくことも考えられる。
今週は北京冬期オリンピックが開催される。通常のアノマリーとして、オリンピック開催時は相場変動が少ないとされており、落ち着くには良いタイミングではないだろうか。年始からバタついた市場だが、やっと一息ついてスポーツ選手の躍動感、また自国選手の活躍に感動し、応援などにエネルギーが注ぎ込まれるだろう。新型コロナ禍であるが、その中でも平和の象徴であるオリンピックが開催される意義は大きいと思っている。
直近の日経225先物指数は、昨年末から米国FRBによるテーパリング開始と利上げによる米国株の下落によって大きく下落した。昨年9月の高値30759円付近から安値26048円まで約15%下落した。大きめの値幅で上げ下げを繰り返してはいるが、戻り高値は切り下げの形となっており、2020年12月以降は一度も切れなかった26800円水準を下回った。先週は大きな下げからやや立ち直り、好調な企業決算に支えられて一時27000円台半ば付近までの戻しがあった。買いはショートカバーと若干の新規買い程度で更なる上値はそうそう見込めない。未だウクライナ情勢の不透明感と新型コロナ感染の影響が上昇幅を限定的にする可能性が大きい。今回の下げ要因の中心は米国FRBの利上げによるもので、利上げの背景はインフレであり景気の好転によるものだけではないので株価の上昇には悪影響だ。その利上げは次回の3月のFOMCでまず0.25%利上げ予想が約8割程度予想されている。1月のFOMC後は0.5%の可能性も取り出さされていたことで株価の下落が大きかった。その後FRB委員数名からのコメントから3月は0.25%が妥当であるとの内容が相次いで、株価下落が収まった模様。利上げといっても2019年にかけて数年間で1.25%から2.5%まで上げているが株価は上昇し続けたが、その時はトランプ政権からの財政支出があり、高インフレはなかった故の上昇ではなかったか。その後2020年前半で新型コロナに対応して現在の0金利まで下げたという推移である。今年中に5回、0.25%ずつ挙げても1.25%~1.5%のFF金利ターゲットなので2%には及ばない。その間に供給サイドからのインフレが収まり、新型コロナの影響継続で景気減速懸念が台頭すれば利上げをやめる必要性が出てくる。FRB面々のコメントからは柔軟性と迅速な対応姿勢が伺えるため、今年の株価は軟調推移となるが大きな下げは回避できるのではないだろうか。
但し今年に限っては、インフレという問題が加味されていることと、新型コロナの影響など以前の利上げ時より不透明要因が多く、日経平均は米国株とある程度は連動して下げ相場というのが基本線と見ていたが、ここにきての日本企業の決算内容が良く、円安傾向というのも相まって先行きも悪くないあら、日米株のデカップリングも想定される。一方、米国ナスダックの中心銘柄であるネットフリックスやメタバースなどは、決算発表後に一日で20%以上の下落をしている。ということは超過動流動性の巻き戻し、いわゆる金融緩和が行き過ぎた副作用での金余りからの回収時期になることを表わしているようで、警戒を怠れない年となるだろう。日経平均指数は先週から上昇し、ある程度戻してはいるがショートカバーと企業決算発表が終わると再び下落するタイミングを計っていくことになりそうだ。戻しは28000円~28300円付近であり、一目均衡表を上抜けする28600円を越えることで下落相場が上昇へと転換するイメージ。まずは25日移動平均線(ブルーライン)が一旦抵抗となり、今週その手前で上昇が失速すると底値不安が残ったままでの取引が継続しそう。米株が安値を更新しもう一段下げると、26000円を一時的に下回る可能性は残る。しかし下落連動も一時的で、直近の企業決算で好調な結果を発表する会社が多いことから、決算発表一巡後の株価収益率(PER)と株価純資産倍率(PBR)の値が下がってくるため、下値は限定的となりそうだ。米株の軟調さと日本企業の好決算の間で日経平均は綱引き相場となるので読みづらい相場付きとなってきそうだ。
英国BOEが5月に政策金利1%とすること、欧州ECBの年内利上げ、米国ではFRBが年内5度の利上げをすることなど市場は想定済みで相場は動いている。しばらくは各国通貨や株式相場が落ち着くレベル探しの週となろう。中銀イベントで今後の政策目途が立ったことで、それを背景軸にして相場は動く。イベント通過で市場変動率であるボラティリティは徐々に低下していくと考えている。まだポジション調整などで数週間程度は動きの激しさが継続するだろうが、その後は徐々に市場は落ち着きを取り戻し、大きめのレンジ内で今後を模索する展開に代わっていきそうだ。売買の設定は、年末からは順張り設定が功を奏したが、今後はタイミングを計り商品ごとに逆張り設定に変化させていく戦術が有効となりそうだ。大きな変動が継続する可能性は、今後の新型コロナ感染が拡大したときであり、その時は中銀も変化せざるを得ないかもしれないので、新型コロナ感染度合に目を配っていくことは変わらない。中銀スタンスが今後変化する理由となりそうなのはまずインフレであり、そのボトルネックとして供給度合が背景にある。物価指数の結果や半導体生産度などから相場が動意づくことも考えられる。
今週は北京冬期オリンピックが開催される。通常のアノマリーとして、オリンピック開催時は相場変動が少ないとされており、落ち着くには良いタイミングではないだろうか。年始からバタついた市場だが、やっと一息ついてスポーツ選手の躍動感、また自国選手の活躍に感動し、応援などにエネルギーが注ぎ込まれるだろう。新型コロナ禍であるが、その中でも平和の象徴であるオリンピックが開催される意義は大きいと思っている。
直近の日経225先物指数は、昨年末から米国FRBによるテーパリング開始と利上げによる米国株の下落によって大きく下落した。昨年9月の高値30759円付近から安値26048円まで約15%下落した。大きめの値幅で上げ下げを繰り返してはいるが、戻り高値は切り下げの形となっており、2020年12月以降は一度も切れなかった26800円水準を下回った。先週は大きな下げからやや立ち直り、好調な企業決算に支えられて一時27000円台半ば付近までの戻しがあった。買いはショートカバーと若干の新規買い程度で更なる上値はそうそう見込めない。未だウクライナ情勢の不透明感と新型コロナ感染の影響が上昇幅を限定的にする可能性が大きい。今回の下げ要因の中心は米国FRBの利上げによるもので、利上げの背景はインフレであり景気の好転によるものだけではないので株価の上昇には悪影響だ。その利上げは次回の3月のFOMCでまず0.25%利上げ予想が約8割程度予想されている。1月のFOMC後は0.5%の可能性も取り出さされていたことで株価の下落が大きかった。その後FRB委員数名からのコメントから3月は0.25%が妥当であるとの内容が相次いで、株価下落が収まった模様。利上げといっても2019年にかけて数年間で1.25%から2.5%まで上げているが株価は上昇し続けたが、その時はトランプ政権からの財政支出があり、高インフレはなかった故の上昇ではなかったか。その後2020年前半で新型コロナに対応して現在の0金利まで下げたという推移である。今年中に5回、0.25%ずつ挙げても1.25%~1.5%のFF金利ターゲットなので2%には及ばない。その間に供給サイドからのインフレが収まり、新型コロナの影響継続で景気減速懸念が台頭すれば利上げをやめる必要性が出てくる。FRB面々のコメントからは柔軟性と迅速な対応姿勢が伺えるため、今年の株価は軟調推移となるが大きな下げは回避できるのではないだろうか。
但し今年に限っては、インフレという問題が加味されていることと、新型コロナの影響など以前の利上げ時より不透明要因が多く、日経平均は米国株とある程度は連動して下げ相場というのが基本線と見ていたが、ここにきての日本企業の決算内容が良く、円安傾向というのも相まって先行きも悪くないあら、日米株のデカップリングも想定される。一方、米国ナスダックの中心銘柄であるネットフリックスやメタバースなどは、決算発表後に一日で20%以上の下落をしている。ということは超過動流動性の巻き戻し、いわゆる金融緩和が行き過ぎた副作用での金余りからの回収時期になることを表わしているようで、警戒を怠れない年となるだろう。日経平均指数は先週から上昇し、ある程度戻してはいるがショートカバーと企業決算発表が終わると再び下落するタイミングを計っていくことになりそうだ。戻しは28000円~28300円付近であり、一目均衡表を上抜けする28600円を越えることで下落相場が上昇へと転換するイメージ。まずは25日移動平均線(ブルーライン)が一旦抵抗となり、今週その手前で上昇が失速すると底値不安が残ったままでの取引が継続しそう。米株が安値を更新しもう一段下げると、26000円を一時的に下回る可能性は残る。しかし下落連動も一時的で、直近の企業決算で好調な結果を発表する会社が多いことから、決算発表一巡後の株価収益率(PER)と株価純資産倍率(PBR)の値が下がってくるため、下値は限定的となりそうだ。米株の軟調さと日本企業の好決算の間で日経平均は綱引き相場となるので読みづらい相場付きとなってきそうだ。
日経225指数日足チャート
今週は10日に発表される米国の消費者物価指数が注目される。また同日は日経平均先物オプション2月限最終売買日(SQ)にあたるので、ポジション調整に絡みやや仕掛けが伴う可能性がある。

今週は10日に発表される米国の消費者物価指数が注目される。また同日は日経平均先物オプション2月限最終売買日(SQ)にあたるので、ポジション調整に絡みやや仕掛けが伴う可能性がある。