豪州 2月RBA理事会レビュー
2022-02-03
■ RBAは週40億豪ドルの債券買い入れプログラムの終了を決定、利上げ開始時期は言及せず
■ 金融引き締めの素地は整えられており、向こう数四半期の雇用・物価情勢を確認し利上げへ
豪中銀(RBA)は2月1日の理事会で政策金利を0.1%に据え置いた。一方、債券買い入れプログラムは2月10日を最後に停止、満期を迎える債券の償還金再投資については5月理事会で検討する予定だ。声明では、完全雇用と目標に合致したインフレ率が予想以上の速さで進展し、さらなる進展が見込まれる状況を踏まえ、今が債券買い入れ終了に適切なタイミングであると判断したという。ただし、債券買い入れ停止は、近い将来の利上げを示唆するものではなく、実際のインフレ率が持続的に2-3%の目標に収まるまで、政策金利の引き上げは行わないと言明。インフレ率は上向いているものの、賃金の伸びが緩やかななか、まだ時間は掛かりそうだとして、インフレに影響を与える様々な要因の進展を監視するとした。
今回の声明でも、RBAは利上げ開始時期の言及を避けたが、基調インフレ率は足元の前年比2.6%上昇から向こう数四半期で約3.25%へ上昇後、供給問題の解消と消費動向の正常化につれ、2023年には約2.75%に低下すると予測。失業率については年内に4%を下回り、2023年末に3.75%前後まで改善すると昨年11月時点の予測を上方修正した(いずれも中心的予測)。詳細は4日公表の四半期金融政策報告で明らかになるが、ロウRBA総裁は2日の講演で、賃金の伸びは2023年を通して3%へ加速するとの見解を示している。向こう数カ月や数四半期のデータでこうした見通しが適えば、完全雇用と物価安定を達成したと判断し、RBAは今年8月をメドに利上げに着手すると当行は予想している。目先は17日公表の1月雇用統計や23日公表の昨年10-12月期の賃金指数に注目。