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豪州 政権交代を危ぶむ世論調査

2022-01-20

■ 豪州では連邦議会選挙が5月21日までに実施、モリソン首相の支持率は一段と低下へ

■ 9年ぶりの政権交代となれば、対中関係や対中戦略の枠組みにも影響をおよぼすのか注目


豪州では3年に一度の連邦議会選挙が実施される。連邦議会議員の任期が切れる5月21日までの土曜日に、下院151議席(2019年時点、連邦憲法で定数は上院の約2倍程度と規定)、上院76議席のうち半数が改選される(任期は6年、3年毎に半数改選、2019年は40議席)。与党保守連合(自由党・国民党)の支持率が低迷するなか、財務省は予算案を慣例の5月第2火曜日(10日)から3月29日に前倒しで発表することを明らかにした。モリソン政権は早期の議会解散、総選挙実施を目論むが、4月までの土曜日は夏季・イースター休暇があるうえ、議会解散後の立候補届出や立候補者公示など45日程度にわたる選挙キャンペーン期間などを踏まえると、総選挙実施は5月7、14、21日のいずれかが有力視される。

昨年12月の豪ガーディアン紙と民間会社の共同世論調査によれば、モリソン首相の支持率は46%と同2月(65%)をピークに大幅に低下、コロナ対策による長期の外出規制やロックダウン、ワクチン確保の遅延などが影響し不支持率(44%)ときっ抗した。両者に対中など外交政策の大きな違いはないが、キーティング元首相は「台湾問題は重要な関心事ではない」と発言するなど、労働党の歴代首相ら要人は対中融和的なスタンスであるとの指摘は少なくない。2019年の連邦議会選挙では事前の世論調査に反して保守連合が逆転し政権を維持したが、労働党が本選挙で勝利し9年ぶりの政権交代となれば、対中関係は従来よりも改善するのか、対中戦略の枠組みにも影響をおよぼすのか注目される。

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