News

12月第4週(12月23日―12月27日)の相場予想

2019-12-23

(先週の動き)

米中通商交渉第一弾は合意という結果で落ち着いており、署名を待つだけとなっている。その結果、年末の株価への上昇ラリーが継続している。外国為替の方は、全般に方向感が定まらない展開となった。しかし総選挙前に上昇していたポンドドルは下落に転じている。ジョンソン英国首相がEU離脱への移行期間延長を回避し、2020年末より後に持ち越さないという法改正計画の報道が要因である。このことで英国がEUと合意なき離脱をするのではという不安感が台頭し、それ以外にも小売売上の悪化も加味して、1.35台の高値から1.29台まで大きく下げた。それにより、ユーロも連れ安して軟調推移となっている。全般では、米国の経済指標でフィラデルフィア連銀製造業指数が悪化したが、GDP改定値で上方修正があり、ミシガン大学消費者態度指数が予想通りとなったことでドルへの買戻しが見られた週であった。

(今週の展望)

先週のコメントに記述したユーロドルの下落トレンドライン上抜けも、先週トレンド内に戻っているが、再度上に行くかは英国のブレグジットへ前向きな方向性を見出すことでサポートされるとみている。また年末年始の円高基調はここ3年間続いており、12月は安く、1月に大きく円高に動く傾向が出ているので、ドルを下方向へ引っ張る可能性もあり、これから注意が必要で、市場参加者が揃う来年の16日までは、十分な証拠金を保って取引をする必要があるだろう。

米国トランプ大統領の弾劾裁判も気になるところ、上院で訴追が決定し、下院での裁判は来年早々にも行われる予定となっている。ただ、共和党が民主党より多くの議員がおり、三分の二での合意が必要なため、弾劾での有罪は難しい予想とされている。それに2月上旬より民主党予備選が始まるため、約2週間は掛かるとされている裁判へ時間の余裕が少ないのもその要因となる。結果は終わってみるまでわからなく、不安感から実質来年度の売買となる今週末から株価への利食い売りや円高への動きになっていく可能性は少なくない。

24日からは、世界的にクリスマス休暇モードで、アジア勢中心の相場となるだろう。金価格は直近の高値近くまで堅調地合いが継続中。1490ドル付近のストップハンティングを狙い、市場参加者が限られる中で10ドル程度は瞬時に動いてもおかしくないほど薄い相場付きとなってくる。コモディティーは中国投資家の動きが中心で、円相場は日本くらいで、欧州通貨の動きは緩慢となる。27日欧米がほぼ戻ってきても、ここからポジションを傾ける参加者は少ない。昨年の急激な円高に気を配りながら、金価格の動きに注目となる。ファンダメンタルの要素がほぼ無いので、何があるかはわからないが、可能性が大きいのは上がったり下がったりする年末年始の定番相場だろうか。

TOP