2022年1月3週目(10日~14日)の相場展望
2022-01-10
外国為替は年末年始も一見ドル高に見え、ドル指数は続伸しているが、そこにはカラクリがあり、実はユーロが他の通貨と比べて安いというのがドル指数堅調という結果となっているだけで、ドル高ではない。米国10年債利回りは、先週の12月FOMC議事録の結果を受けて上昇し、1.73%程度まであったがその後は伸び悩み。FRBが今年3回利上げするのは既に織り込んでおり、全体の金融市場の相場はリスクで動いている。新型コロナウィルス感染者の急増や供給不足からのインフレなどが景気の足を引っ張るという懸念が根強いが、実際は株価の動きと連動してのリスク連動相場。年末に米国で株が買われて、先週は売られた。連動してクロス円が右往左往しているだけで、為替は静かなものである。米国の政策金利が2.5%を越えていくようなら、対ドルだけではなく、対ユーロでも動きが徐々に高まると思われる。しかし現在はまだまだ株価のボラティリティーには敵わない。
市場関係者の全般予想では約80%程度が今年の3月に最初の利上げが行われると織り込んでいる。直近の米国のインフレや経済指標の結果から、今月かもという思惑が出ている様子はあるが、もしそうなればサプライズで10年債利回りは1.8%を越えてドル円は106円半ば以上となるだろう。先週の米国雇用統計では、非農業部門雇用者数が予想の50万人から19万人程度を大幅に下回り、予想を裏切ったことでリスクオフとなり、それまで上げていた株価が軟調に変化し、ドル売りが進んだ。ユーロドルは1.1360を越えたところまで上昇し、先月の高値を捉えそうな動き。ドル円は115円半ばまで下げており、久々振れ幅が増幅した。現在のところ比較的上昇気配の強いポンドは直近の高値を更新しておりドル要因の相場となった。
直近のユーロドルは、昨年の11月につけた安値1.1185を下値に1.1385の高値を上値抵抗として機能し、その間のレンジ相場となっていた。しかし先週の米国雇用統計の結果を受けて、その抵抗レベルを突破しそうな勢いがでてきた。元来、米国FRBの利上げをある程度織り込んだ先月からは、スローながらもじりじりと安値を切り上げる形が続いていた。この抵抗レベルを上に突破すると75日移動平均線と中期の下落トレンド線が重なる1.1450-1.1470付近までの上昇の可能性が大きい。すぐにドル高から反転するとは思えないが、ユーロから見るとEU内でのインフレ加速が上昇の支援材料となるだろう。
市場関係者の全般予想では約80%程度が今年の3月に最初の利上げが行われると織り込んでいる。直近の米国のインフレや経済指標の結果から、今月かもという思惑が出ている様子はあるが、もしそうなればサプライズで10年債利回りは1.8%を越えてドル円は106円半ば以上となるだろう。先週の米国雇用統計では、非農業部門雇用者数が予想の50万人から19万人程度を大幅に下回り、予想を裏切ったことでリスクオフとなり、それまで上げていた株価が軟調に変化し、ドル売りが進んだ。ユーロドルは1.1360を越えたところまで上昇し、先月の高値を捉えそうな動き。ドル円は115円半ばまで下げており、久々振れ幅が増幅した。現在のところ比較的上昇気配の強いポンドは直近の高値を更新しておりドル要因の相場となった。
直近のユーロドルは、昨年の11月につけた安値1.1185を下値に1.1385の高値を上値抵抗として機能し、その間のレンジ相場となっていた。しかし先週の米国雇用統計の結果を受けて、その抵抗レベルを突破しそうな勢いがでてきた。元来、米国FRBの利上げをある程度織り込んだ先月からは、スローながらもじりじりと安値を切り上げる形が続いていた。この抵抗レベルを上に突破すると75日移動平均線と中期の下落トレンド線が重なる1.1450-1.1470付近までの上昇の可能性が大きい。すぐにドル高から反転するとは思えないが、ユーロから見るとEU内でのインフレ加速が上昇の支援材料となるだろう。
ユーロドル日足チャート


今週は金曜日に日経先物オプションのSQ、決済日が到来し、年末から乱高下している株式市場のボラティリティーが継続する可能性が大きい。為替はそのリスク度次第で円安かもしくは円高かに動きやすいが、今週の欧米時間には先週の雇用統計結果からの流れを受けてややドル売りが優勢となりそうだ。SQを狙っての仕掛けによって株価の下落があると、円高、ドル安とドル円の下落調整幅が拡大する可能性もあり、115円割れがあるかもしれない。ここまでじり高となっているドル円だけに、流石に115円割れでは買い遅れた本邦輸入企業からの買い注文があるレベルと予想できるため、その辺では底堅くなると予想している。日経平均は昨年夏場からの三角持ち合い形状ができており、上下の抵抗・サポートラインに4回接触しては反転している。そろそろ持ち合いから抜けるタイミングを計ることになりそうだが、今日時点では上下のレベルは上が29290、下のサポートラインが27645付近となっており、現在のレベルからは値が近い下へのリスクが大きい。しかし直近では年末にかけて徐々に下値を切り上げた形となっているため、28150付近を下回らず上昇すると5日移動平均線のレベル28800を上値に堅調さを取り戻すことになろう。
日経平均日足チャート


今週は、引き続き株価や米国長期金利動向を睨みながらの取引地合いとなるだろう。日本では国際収支の統計発表があり、貿易赤字が拡大すると円安方向へ動きやすく、また直近の新型コロナ感染者数の増加が株価の上値を抑えやすい方向性が相まって、リスクオフの円高と綱引きで神経質な動きとなろう。海外では、米国の12月消費者物価指数と生産者物価指数に大きな注目が集まっており、結果によっては次回のFOMCで利上げの思惑が浮上すると考えられる。