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12月第1週(12月2日―12月6日)の相場展望

2019-12-02

(先週の動き)

全般に日米貿易の第一弾合意に向けての発言で小動きが継続した中でも、ドル円が直近の高値を更新し、ポンド以外はドル高基調で推移した。ユーロドルや豪ドルも軟調ながら下に突っ込む動きはなかった。トランプ大統領は香港のデモをサポートする、「香港人権・民主主義法案」に署名し、市場は若干不安感も台頭したが、共和党や議会では大統領と同じ方向と考えられていたため、市場は大きな反応とはなっていない。米国ではGDP改定値で上方修正し、また株価の上昇によって消費マインドが高まっていると予想され、感謝祭からクリスマスまでの消費の盛り上がる期待感も相まって、株価が高値更新中となっている。

(今週の展望)

ドイツの7-9月のGDPは、予想を覆しマイナス成長の予想であったが、若干だが0.1%増という結果となった。景気後退に陥る可能性と考えられていたため、サプライズで株価は反応し、若干だがユーロも堅調推移となった。米中貿易摩擦からの悪影響や米国からの貿易関税への圧力によって、企業マインドの落ち込みからの悪影響が懸念されていたが蓋を開けてみると、消費の意外な伸びという結果も小売売上は悪化でGDPの好結果を打ち消した感じ。米国のGDPの結果も良かったためドルの強さは継続し、対ドルでユーロドルのレートは軟調推移で下落の動きが継続中。ユーロ自体の動きは持ち合いで、ユーロドルとしては、ドルの動き次第となるだろう。ポンドは、依然としてジョンソン首相の与党保守党がリードしていることで底堅い感じの動きと捉えている。今週も支持率次第での動きとみている。

注目するならドル円の堅調さ、これが際立っており売りが多いはずのレベルで上昇基調を継続している。109円半ばの水準なら、日本の輸入勢の採算レートが108円から110円の設定が多く、ドルを買う必要がある日本の輸入勢は神経質になっているだろう。110円以上は為替差損がマイナスになる企業も増えるはずで気になるレベルであろう。逆に売り方の輸出勢はのんびりと構えているはずで、相場を鑑みながら売りのレベルを109円台から上に少しずつずらしていることも容易に想像できる。輸入勢のリスクとなる110円台を挟んで加速上昇が見られるかに注目。

10月後半からのドル高推移にも関わらず、新興国の株価も堅調で大きな資金流出とはなっていないのが一つのリスクオンへの安心材料となっている。年末要因などでドルに逆流懸念も個人的にはしていたが懸念は危惧に終わった。世界的な金融緩和でマネーが投資先を探し続けているのは相変わらずのようだ。金のレベルもじりじり下げてはいるが、1450台で下げ渋り、OPEC前に原油も堅調で、資金が流出しているのは仮想通貨だけではないだろうか。株価や外国為替は上手くいければ配当金や金利差からのスワップポイントがもらえるがビットコインのそれはほぼ払いとなり、値幅で稼ぐ以外には儲からない。将来への期待度を大きな背景にして、個々には買いたい向きが多いだろうから相場は上昇すると出来高が増える相関度は高いはず。下落相場では興味が薄れやすい市場となっているので注目度が下がっていそう。

今週は欧米と中国の製造業やサービスなどPMIが順次発表され、加えて米国のISM製造業景況指数が月曜日、米国貿易収支が木曜日、米国雇用統計が金曜日に発表される。米中貿易摩擦が11月の各国製造業指数に影響がどのように及んでいるのか注目される。また米国雇用統計は先月、GMの大規模ストライキがやや影響していながらも非農業部門雇用者数は12.5万人と堅調推移。今月の予想18.8万人に近い数値が出ると好感されそうで、ドル高、株高が期待できるが、先週から織り込む形で金利やドルが上昇しており、金曜日遅くには利食いが出て上値は重くなるのではと予想している。

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