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米国市場の見通し

2021-11-16

■インフレの波及と悪影響が徐々に明らかに

■株式市場では半導体大手の決算を注目

  10月の消費者物価指数は、食品・エネルギー除くコア指数(前年比4.6%上昇、前月比0.6%上昇)の上昇ペースが加速した。また、生産者物価指数(前年比8.6%上昇、前月比0.6%上昇)も小幅ながら前月より上昇ペースが加速し、インフレ圧力が一段と強まっている。特定品目以外でも物価上昇が目立ち始めており、インフレのすそ野が広がっていることも確認される。

   11月のミシガン大学消費者信頼感指数速報値(66.8、前月比4.9ポイント低下)は大幅低下し、コロナ禍以降で最も低い水準となった。内訳では、現況、期待ともに2020年3月以降の最低値を更新した。約4分の1の消費者がインフレにより生活水準が低下したと回答し、インフレの悪影響が明らかとなった。
   S&P500、ダウ平均ともに6週ぶりに小幅反落。決算発表を受けて個別銘柄を物色する展開が続いた。こうしたなか、10月の米消費者物価指数(CPI)が事前予想を上回り、高インフレの持続に対する警戒感から長期金利が上昇。割高感が意識されやすい銘柄に売りがかさんだ。週末にかけては長期金利の上昇に一服感がみられたことで買い戻しが入り、下げ幅を縮小した。
   市場では大手半導体関連企業の目標株価を引き上げる動きが目立っており、先週末にかけて半導体関連株の持ち直しが相場全体を牽引していた。当該企業は今週後半にかけて決算発表を予定しており、発表後もこうした動きが継続するか注目したい。
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