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NZ中銀は追加利上げの公算

2021-10-20

■ 消費者物価指数は約11年ぶりの高い伸びを記録、住宅関連費用の価格上昇が主因

■ RBNZは11月会合でも追加利上げの公算大だが、都市封鎖延長が及ぼす雇用情勢に注目

    ニュージーランド(NZ)統計局が18日に発表した7-9月期の消費者物価指数(CPI)上昇率は前期比2.2%と前期(同1.3%)から加速、2010年10-12月期以来の高い伸びを記録した。新築住宅の建築費など住宅関連費用が主因となったほか、トマトやレタス、ブロッコリーの野菜価格や交通費、燃料費の上昇も物価高につながった。統計局によれば、新型コロナウイルスの感染拡大が前例のないデータなどを生み出し、8月17日に全土で都市封鎖が実施されたことがCPIに影響したとされる。ちなみに、NZ産の生鮮トマトは生産量の5割をオークランドが占めるが、新型コロナウイルス感染拡大で国内市場は供給過剰だったところ、生産者が作付けを調整したことが価格高騰に影響した模様。

    CPI上昇率は前年比でも4.9%と10年ぶりの高水準を付け、NZ中銀(RBNZ)のインフレ目標(1-3%)の上限を2四半期連続で超えた。金利先物市場では、11月24日に開催される年内最後の会合では0.50%から0.75%の利上げを100%織り込む動き。一方、アーダーンNZ首相はオークランドでの都市封鎖を2週間延長すると発表。10月18日の新型コロナウイルス新規感染者は60人と感染拡大に歯止めが掛からず、経済活動の正常化には時間を要する。こうしたなか、11月3日公表の7-9月期の雇用統計で失業率の低下や、労働参加率と賃金の上昇に歯止めが掛かれば、雇用悪化への懸念からNZドル高の調整が進む展開も想定される。本日のアジア市場で、NZドルは81円台前半へ上伸し2018年1月以来の高値を付けているが、NZドル米ドルは今年9月以来の高値0.71米ドル台前半で推移。当面は、5月高値0.7316米ドルや2月に付けた年初来高値0.7464米ドルをメドに、上げ一服となるか注目したい。
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