RBNZレビュー
2021-10-07
■ ニュージーランド(NZ)準備銀行(RBNZ)は0.25%の利上げを決定、追加利上げの可能性を示唆
■ 最大都市での都市封鎖は長期化しているが、ワクチン接種率上昇に伴う経済活動正常化に期待
ニュージーランド(NZ)準備銀行(RBNZ)は6日の金融政策会合で政策金利を0.25%引き上げ0.50%に決定した。利上げは2014年以来7年ぶり。声明では、「低インフレの維持と最大の持続可能な雇用を支援するため、景気刺激策を縮小し続けていくことが適切だ」として従前の認識が示された。一方、「総合消費者物価指数(CPI)は中期的に2%に向かう前に、近い将来には4%を超えるだろう」、「インフレ率の上昇は、原油高や輸送コスト上昇、供給不足の影響によって強まる」として、物価高を注視していく姿勢が確認された。そのうえで、「物価と雇用の中期的な見通し次第では、時間の経過とともにさらなる金融緩和縮小が予想される」と指摘、一段の追加利上げの可能性が示唆された。
NZ経済研究所が5日に発表した7-9月期の企業信頼感指数はマイナス11と前期から18ポイント低下した。新型コロナウイルス感染再拡大によって、最大都市オークランドの都市封鎖は8月中旬以降続いており、先行きに不透明感があるなか企業の投資に対する慎重姿勢が示された。NZ保健省によれば、人口の80%が1回目のワクチン接種を終え、2回目の接種完了では50%と欧米に比べて接種率は高くなく、新規感染者数の急減にはつながっていない。ただ、一部の活動制限は6日に解除される予定で、アーダーンNZ首相は、早ければ11月以降は大規模イベントへの参加にワクチン接種証明が必要との方針も示した。RBNZは世界的な大流行(パンデミック)が及ぼす経済活動への懸念もにじませたが、ワクチン接種率が急上昇していることなどにも着目し経済活動の正常化に期待を寄せた。18日に発表される7-9月期のCPI上昇率が前期比、前年比ともに前期(同1.3%、同3.3%)から加速すれば、年内最後の11月24日の会合でも0.25%の追加利上げが決定される可能性は高い。市場では、政策金利が来年1月までに1.0%、同10月には1.5%に達すると予想している。