10月第2週の相場展望(10月4日~10月8日)
2021-10-04
市場は先週の米国長期金利の上昇から株価を中心に波乱となった。パウエルFRB議長の議会証言では、11月にもテーパリング(量的緩和の縮小)の内容を発表することが明らかとなり、新型コロナ感染に対する警戒はあるが、徐々に利上げに向け動くとされ米国の長期金利が急上昇した。1.4%台で推移していた10年債利回りは一時1.56%まで跳ね上がりドル高を促した。ドル円は111円台半ばまで上昇し、翌日のアジア時間で112円台の高値を付けた。その後はゆるやかに下落しているが、111円台を維持している。2022年内の利上げを織り込む相場の動きが乱高下を生んでいるようだ。
パウエル議長自身のコメントからは、積極的な利上げの流れは読み取れないが、他のFRB委員からはテーパリングを後押しする意見が相次いでおり、やや温度差が見られだした。直近のCPIは高めだが落ち着いているが、住宅バブルに近い住宅価格の上昇や株価のバリュエーションの高さはやや気になっているところであろうと考えている。住宅価格は6月のケースシラー指数では前年比18%程度まで上昇し、過去最高時を上回る勢いとなっている。また米国株価のS&P指数の株価収益率をみると20%をやや上回った数値で推移しており、2000年のITバブル崩壊でナスダック指数が崩れたときの高値25%に接近している。ただ各大手IT企業の事業は拡大が継続しており、1株当たりの利益であるEPSはその時と比較して大きく上昇している。また大手証券等の予想では2023年のEPSは現在の10%強の上昇を予測しているところが多いため、PERは現在の水準を維持したとすると18%台まで低下する予想となっている。
7-9月期の米国企業業績発表が今週から徐々に始まり、今月末週にピークを迎える。業績でEPSが上がり、それによってPERが下がってくるかどうかに注目したい。全般にナスダック指数は金利に敏感なため、テーパリング動向から影響を受けやすく、しばらくは調整の動きが顕著になるだろう。米国バイデン政権が進めているインフラ投資法案が先週先送りとなり、問題解決が不透明となったことも株価の重しとなっているようだ。米国S&P指数は25日と75日移動平均線を共に下回っており軟調推移が明白となった。25日移動平均線の下方向へ転換しており、75日移動平均線が続いて下向きとなれば調整局面が長引くと考えている。
パウエル議長自身のコメントからは、積極的な利上げの流れは読み取れないが、他のFRB委員からはテーパリングを後押しする意見が相次いでおり、やや温度差が見られだした。直近のCPIは高めだが落ち着いているが、住宅バブルに近い住宅価格の上昇や株価のバリュエーションの高さはやや気になっているところであろうと考えている。住宅価格は6月のケースシラー指数では前年比18%程度まで上昇し、過去最高時を上回る勢いとなっている。また米国株価のS&P指数の株価収益率をみると20%をやや上回った数値で推移しており、2000年のITバブル崩壊でナスダック指数が崩れたときの高値25%に接近している。ただ各大手IT企業の事業は拡大が継続しており、1株当たりの利益であるEPSはその時と比較して大きく上昇している。また大手証券等の予想では2023年のEPSは現在の10%強の上昇を予測しているところが多いため、PERは現在の水準を維持したとすると18%台まで低下する予想となっている。
7-9月期の米国企業業績発表が今週から徐々に始まり、今月末週にピークを迎える。業績でEPSが上がり、それによってPERが下がってくるかどうかに注目したい。全般にナスダック指数は金利に敏感なため、テーパリング動向から影響を受けやすく、しばらくは調整の動きが顕著になるだろう。米国バイデン政権が進めているインフラ投資法案が先週先送りとなり、問題解決が不透明となったことも株価の重しとなっているようだ。米国S&P指数は25日と75日移動平均線を共に下回っており軟調推移が明白となった。25日移動平均線の下方向へ転換しており、75日移動平均線が続いて下向きとなれば調整局面が長引くと考えている。
米国企業決算スケジュール(件数表示)

為替全般でみるとリスクオフのドル買いとなっており、ドルインデックスは昨年9月の高値まであとわずかなところまで上昇しており、新型コロナからの脱却を予想はされているが、米国のテーパリングが発端となり、欧州や英国も遅れながら追随する可能性まで織り込みに行っている感がある。欧米のテーパリングが始まり、利上げとなれば、景気の正常化が見込まれるという証明であり、インフレ率が上昇する方向であるということ。逆に日本では、様々な理由で物価の上昇がなかなか顕著にならない状況は未だ続いている。それ故、日銀の量的緩和はまだまだ継続するだろうから、金利差が開くことになる。新型コロナワクチンのブースター接種も加味して今後の感染が収まるとすると、円安方向へ向かっていく可能性は頭に置いておくこと必須ではないだろうか。安いクロス円等を拾い、長く保有するのも一考であろう。ただ株価が大きく反応してしまうとなかなか継続上昇とはならず綱引きの展開となろうから、株式相場と金利という市場動向から方向性を把握していくことが必要だ。またPMIや景況感指数が頭打ちの予測が出ており、先行きの景気反転が継続するかには疑問符がつきまとう。今後の経済指標も市場予測の背景として把握することも重要となってくる。株価が長期的に上昇トレンドを維持していることを条件に、クロス円は慎重に引き付けてから、下がったところで買いを入れても面白い。
ポンド円の日足チャート

米国イエレン財務長官は、先週米国の債務上限の引き上げに関して10月18日の期限までに合意がなければ、米国債券がデフォルトになる可能性を述べている。3.5兆ドルのインフラ投資を民主党内で結束を目指しているが、債務が気になり党内でも意見が分かれている。格付け機関のフィッチは債務上限問題が迅速に解決されなければレーティングの引き下げの可能性に言及している。今週、来週が山場となるこれらの議論は日ごとに注目度が増していくに違いない。それらの動向によって、株価が乱高下しており為替にも波及している。今週は米国の失業率に向けてのポジション取りや企業決算発表もあるが、どちらかというと、債務上限とインフラ投資問題のほうが相場への影響が大きいと考えている。