米国:7-9月期企業決算では売上高に注目
2021-09-30
■ 米主要企業は7-9月期も堅調な決算を発表する見込み
■ 供給制約や原材料価格上昇などが売上高をどの程度圧迫するか注視
10月は主要企業の決算発表に注目したい。10月12日の金融大手を皮切りに、7-9月期決算発表が本格化する。情報会社リフィニティブの集計(9月24日時点)によれば、S&P500構成企業の7-9月期の1株あたり利益(EPS)に関して前年比29.6%増と、前期(同96.3%増)から伸びは大きく鈍化するものの、高い伸びを維持することが見込まれている。また、43社が悪化もしくは市場見通しを下回ると予測し、59社が改善もしくは市場見通しを上回るとみており、4-6月期(それぞれ47社、60社)に近い見通しが示されている。株価は米長期金利の変動に伴う上下動を伴いつつ、企業業績の堅調さに下支えされる構図が保たれると考えている。
ただ、一部企業は新型コロナウイルスの感染拡大による供給網の混乱が年末商戦に悪影響を及ぼすとの懸念を示すとともに、売上高見通しの下方修正を公表している。市場では、S&P500構成企業の7-9月期の売上高は前年比14.0%増と、前期(同25.2%増)に続き高い伸びを示すと予想されているが、供給制約や原材料価格上昇が売上高の伸びをどの程度圧迫するか注視する必要があろう。