10月第2週(10月7日―10月11日)の相場予想
2019-10-07
10月第2週(10月7日―10月11日)の相場予想
<先週の動き>
先週は、火曜日に米国のISM製造業景況指数発表があり、予想を下回り2か月連続で景気の節目である50を下回った結果を受け、大幅なドル安、株安となった。水曜には、まずドイツの主要経済研究所が今年と来年のドイツの経済成長予測を下方修正したことで、欧州株の下落を促し、米国ISMの悪化も含めてリスクオフの市場雰囲気が蔓延となった。また米国が75億ドル相当の欧州製品に輸入関税をかけることを世界貿易機関(WTO)が承認したことが、株価の更なる下落とユーロドルの最安値更新に繋がった。米国雇用統計の指標となるADP雇用統計は若干悪い程度、金曜日の米国雇用統計は注目の非農業部門雇用者数は予想を下回ったが、失業率が3.5%と予想より良く50年ぶりの低水準となったことから、株価が上昇し、金は一時下落と利食い優勢の動きとなった。
<今週の相場展望>
米国雇用時計で失業率が良かったとは言え、これは遅行指数で実質少し以前の経済状況を表しており、元々リスクオフのポジションが膨らんでいたため、その反対売買で利食いが優勢となったきっかけになったに過ぎないでしょう。金の堅調さから鑑みると、今週もリスクオフの理由となる経済指標や発言には注意が必要です。市場の反応の大きさからFRBは、最近は雇用統計よりISM製造業景況指数の結果の方が注視していると思われ、雇用統計の結果でも更なる金融緩和の動きを予測している市場関係者が多いと思っています。
最近のリスクオン、オフへの投資家心理の把握は、金の動きで捉えるのが良いのではと考えています。金は、先週木曜日に1519ドルの直近の高値を付け、雇用統計直後に1495ドルまで利食いの動きがありました。その後は再度1500ドル台で堅調な動きとなっています。一目均衡表で見ると、先週は雲の中に入ったものの直ぐ反発しています。高値からの下落トレンドラインが今週金曜日には1515ドル程度まで下がってきます。そのタイミングで1520ドルを上抜けすることが出来れば、チャートテクニカルからは再度1556ドルの最高値を捉える動きになると考えます。しかし下落トレンドラインで押しもどされるともう少しの調整は必要となりそうです。下値は75日移動平均線に支えられていて、それは1465-75ドル付近で推移しそうです。
今週はFRBの各委員である地区連銀総裁などの講演が多くあり、彼らの発言から今月後半のFOMCでの利下げへ繋がるのか注目しています。先週各国の経済統計に相場が大きく反応したことで、投資家マインドから考えると今週も経済指標に神経質な動きとなるでしょうから、月曜日のドイツ製造業新規受注、火曜日中国PMI、木曜日の英国GDP、金曜日のミシガン大学消費者態度指数の結果への反応だけではなく、発表以前に予想を織り込む動きを捉えていくことが重要です。大きなイベントとなりそうなのが10日から始まる米中貿易協議です。翌週15日には、米国が中国への追加関税開始日とされていることもあり、協議の内容によって相場が上下することとなり、要注意のイベントです。また10日木曜日は、日経平均のSQ最終売買日となり、前回9月とは違いマイナーSQですが、世界の株価が軟調となっている場合は、売り仕掛けに注意が必要でしょう。
(ユーロドル)
1.1020-40付近に下落トレンドラインの抵抗が見られ、そこで抑えられる動きになると、再度最安値更新が見込まれます。ドイツやフランスの経済指標に注目です。
(ドル円)
世界の株価と連動しており、ドルだけではなくリスクオフで円高の動きも強まっています。9月からのダブルトップを107円割れで完成し軟調推移が継続中。107.00-107.20に上値抵抗があり、抜けると再度レンジ内での動きに終始。また106.50より下に日本の輸入勢の買いが散見されているようです。日足の一目均衡表で雲の下限が106.25にあり、これが下値サポートレベル、次に105.70-90付近が強めのサポートとなります。10日の日経平均先物SQ次第ではここを下抜けする可能性はありますが、104円台まで突っ込むには米中貿易協議が決裂する条件が必要になりますが、そこから下は非常に堅いと考えています。