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FOMCプレビュー

2021-09-23

■ 今回のFOMCでは利上げにつながる情報発信がなされるか注目

■ メンバーの政策金利見通しが上方修正されれば、市場の利上げ織り込みが変化するおそれ

     日本時間23日午前3時に米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果が公表される。政策変更は見込まれないが、金融市場が想定する利上げのタイミングが前倒しされるような情報発信がなされるか注目される。FOMCはこれまで、資産購入の段階的縮小(テーパリング)と利上げを明確に区別して情報発信してきており、市場で利上げ観測が浮上しないよう腐心してきた。金融市場ではテーパリング開始時期に関しては概ね織り込まれているとみられ、多少前後しても相場への影響は限定的となる可能性がある。しかし、テーパリング終了が想定より早いとの見方が強まれば、その次の政策変更となる利上げの開始時期に関して思惑が浮上し、相場への影響は強まりかねない。テーパリングに関しては、「いつ終わるのか」が連想される情報が重要だろう。

    今回のFOMCでは、メンバー18名の経済・物価見通しが更新される。なかでも、政策金利見通し(ドット・チャート)が最大の注目点となる。2022年の利上げを予想するメンバーが前回6月時点の7名から増えるなどドット・チャートが上振れすれば、利上げ開始時期の前倒しが意識されることとなろう。さらに、2024年の予想が新たに示され、利上げペースのイメージが固まると思われる。また、物価見通しが上方修正され、一時的な物価上昇圧力が剥落した後も物価の基調が強いと認識されるようであれば、利上げ観測を強める方向に作用するおそれがある。今回のFOMCでは金利上昇リスクを警戒しておくべきであろう。


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