中国経済:スタグフレーションの様相が強まる
2021-09-17
■ 中国では景気減速と物価高騰が同時進行し、スタグフレーションの様相が強まる
中国政府は8月以降も企業、高所得者層への規制・統制を強め、情報技術(IT)、娯楽などを対象に新たな規制の導入が続く。不動産規制強化を引き金として、複数の不動産開発業者で債務不履行懸念が広がり、悪影響が表面化している。中国人民銀行は金融市場での資金供給を増加し、大手銀行に対して承認済の住宅ローンや不動産融資の実行を急ぐよう指導するなど、信用不安予防への対応を進めるが、金融リスク抑制の方針は堅持している。
中国では、景気減速と物価高騰によりスタグフレーションの様相が強まっている。景気急変時の下支え役として政府・中央銀行の政策期待は根強いが、構造改革を優先する姿勢に現時点では変化はみられない。政策の舵取りは難しくなっており、2015年のチャイナショック同様、政府・中央銀行の政策への信用が問われることになるとみている。
■ 景気下支え役としての政策期待は根強いが、今後は、2015年同様、政策への信用が問われそう
中国政府は8月以降も企業、高所得者層への規制・統制を強め、情報技術(IT)、娯楽などを対象に新たな規制の導入が続く。不動産規制強化を引き金として、複数の不動産開発業者で債務不履行懸念が広がり、悪影響が表面化している。中国人民銀行は金融市場での資金供給を増加し、大手銀行に対して承認済の住宅ローンや不動産融資の実行を急ぐよう指導するなど、信用不安予防への対応を進めるが、金融リスク抑制の方針は堅持している。
中国では、景気減速と物価高騰によりスタグフレーションの様相が強まっている。景気急変時の下支え役として政府・中央銀行の政策期待は根強いが、構造改革を優先する姿勢に現時点では変化はみられない。政策の舵取りは難しくなっており、2015年のチャイナショック同様、政府・中央銀行の政策への信用が問われることになるとみている。