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9月第3週の相場展望(9月13日~9月17日)

2021-09-14

欧州中銀のECBは先週の理事会で、新型コロナ対応の債券買い入れプログラムの買い入れ規模縮小を決定し、緊急措置の解除に向けた一歩を踏み出した。実際には小幅な縮小で、この程度の買い入れ規模の縮小度合いは予想されていたため大きな動きとはならなかった。その後のラガルドECB総裁記者経験では、今回はテーパリングではないと強調したことで、上昇気配が出ていたユーロは失速した。会見内容では、「財政支援の解除は時期尚早」「危機の点からは、ゴルフで言うとまだグリーンというセーフティーゾーンに達していない」「まだコロナの状況から、経済活動の再開が遅れる可能性がある」「足元のインフレは一時的」などのネガティブな言及が多かったことで予想より下向きの会見と感じさせた。ユーロドルの上昇気配は残っているが、この程度の金融政策の動きでは、しばらくもみ合いが続くと予想するのが賢明かもしれない。

菅首相の辞任報道から開始した日本株の上昇は、元々海外投資家が世界株投資の中で日本株をアンダーウェートしていたことで、先物市場で売りポジションを多く保有していた。現物株の売買は短期では行わないので、先物市場でヘッジ目的の売りを行い、リスクを回避していたポジションの反転が大きな理由である。

日本株の売買高の約7割近くが外国人投資家という流れが長く続いている。8月に一時にせよ27000円割れをしたのは、外国人がオリンピックを経て新型コロナ感染者が増加させた日本政府への不信感と国民からの自民党への支持率低下の理由からの売り越し額増加が影響した。その時の株価収益率であるPERは12.7倍とここ数年来の最低水準で割安感が台頭していた。<ちなみに株価収益率(PER)とは、1株当たり純利益の何倍の値段が付けられているかを見る投資尺度であり、株価の有名な判断基準の一つである。>また頼みの日銀もその程度の株価のじり安だった下げでは買い出動という株価を支える必要性はなかったようだ。日本株が低下している最中では、欧米株は高値更新をしており、日本株との乖離が大きくなっていた。

日本株軟調のもう一つの理由は中国株の低迷にあり、中国政府が民間の教育機関に規制を強めるなど企業への介入が激しく、規制を嫌気する株価には悪影響となる。日本企業は中国での売上高も多いため、それが足を引っ張ったことも大きい。中国に投資していた外国人が、日本のオリンピック終了でのコロナ感染者低下と、日本のトップ交代で経済対策への期待などで、日本株の急な買戻しと投資ウェートの引き上げが日経平均の急騰に繋がったということだ。

JP225(日経平均CFD)日足チャート
<DAX30とSPX500比較入り ー 2020年12月15日を起点として>


今後は欧米ファンドや年金などの日本株へのウェート引き上げと、総裁選挙からの新総裁誕生で衆議院選挙を睨んで与党自民党の経済対策規模が大きくなるという期待もあり、日経平均は年末にかけて高値更新から31500 - 32000円程度までの上伸が見込まれそう。10月限オプション市場では32000と33000円のコールオプションの売買高が急増しており、9月メジャーからのポジションロール分が12月メジャーSQのみでなく10月限にも移っていることが分かる。可能性は低いだろうが、リスクをそのレベルまで考えている投資家が現れだしたということも上値追いの可能性を感じさせる。

世界的な低金利で為替レートの動きは限定されるが、緩和マネーによって商品相場や株式相場の動きは激しい。現在の環境下では、リスクはあるが上手く乗れれば大きなリターンを生んでくれる指数取引を推奨します。世界的低金利が終われば為替レートの動意が見られるはず。もしも、限定的でスローな為替相場の動きに魅力を感じない方は、株価指数取引を行ってみても良いのではと思います。MT4,MT5はチャートベースの取引ツールであり、証券会社が持っていないテクニカルツールもあり、また使い勝手もテクニカル分析には非常にやりやすい。全ての金融商品を一つのプラットフォーム上で取引出来て、資金管理も全て一体化というのは特に有利な点でしょう。 為替や商品だけではなく、そろそろ株の勉強も始めましょう! 変動率は為替の5倍以上、当社は個別株サービスも準備中。また株価は論理が6割、テクニカルが4割と言われ、為替相場とは逆で投資資金を少なくしてリスクを抑えれば、知識があればあるほど稼ぐチャンスも増えるでしょう。 株価指数は為替の約2-3倍の変動率、また個別株は指数の2倍以上の変動率でしょうか。

日本はパラリンピックが終わった後、新型コロナ感染者数が徐々に低下し始め、ピークの1/3程度まで下がっている。この結果がオリンピックが終わったせいなのか、ワクチン接種が進んだ結果なのか、はたまた政府が緊急事態宣言等で制限を行いだしたのか、それらが総合された結果なのか、よくわからないままである。ただ世界的にもデルタ株への警笛で、日本と同様にやや減少傾向がみてとれる。次に生かすためにも、人を割いて分析するのに必要なものを費やすことが肝心ではないかと前から感じている。

今週は大きなイベントはないが、強いて言えば米国のニューヨーク連銀製造業指数とフィラデルフィア連銀製造業指数、欧米中の鉱工業生産指数で製造業の動きを見極める良い発表が多い。相場からは、日経平均の更なる上昇や調整となりそうなテクニカル指標が増えてきた米国株の動き、また金価格の底堅さが見えるかどうかに注目している。
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