9月第2週の相場展望(9月6日~9月10日)
2021-09-06
先週も引き続きユーロドルがじりじりと値を上げている。チャート形状からのテクニカル要因とその要因を促したECB高官の意見の変化が理由である。ドルに関しては若干弱含んでいるものの、大きな動きは見られておらず欧州自身の要因だと読み取れる。先週も引き続きユーロドルがじりじりと値を上げている。チャート形状からのテクニカル要因とその要因を促したECB高官の意見の変化が理由である。ドルに関しては若干弱含んでいるものの、大きな動きは見られておらず欧州自身の要因だと読み取れる。先週も引き続きユーロドルがじりじりと値を上げている。チャート形状からのテクニカル要因とその要因を促したECB高官の意見の変化が理由である。ドルに関しては若干弱含んでいるものの、大きな動きは見られておらず欧州自身の要因だと読み取れる。
<7月末のECB理事会でのラガルド総裁の会見内容>
「欧州のインフレは一時的で、利上げスタートの条件としてインフレ率2%以上が必要」「長期のインフレ期待は目標を下回る」
「見通しへのリスクはほぼ均衡」
「現時点ではいかなる出口も時期尚早」
以上のコメントから、ECB理事会は全体としてインフレに関しては大きな懸念はなく、未だリスク均衡であるためテーパリングはまだ行う必要はないという意見であった。 しかし8月26日のレーンECB理事のコメントでは「米金融当局のテーパリングの余波が市場に及んだ場合に備え、ECBは対応を準備し、ECBは受け身の傍観者ではない。ユーロ圏の資金調達環境に影響が波及する場合は、すでに示しているように、適切な行動を取る意思も能力もある」とテーパリングの可能性を醸し出すような発言となった。更に他のメンバーからも「パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の縮小を検討できる状況になっているとし、次回理事会で第4四半期の縮小開始が討議される」、「ECBは過度のインフレのリスクを無視すべきでない。ユーロ圏の物価情勢について、このところ物価を押し上げている一時要因が基調的なものになる可能性があり、ユーロ圏のインフレ率がECB予想を上回るリスクがある。」などの発言が相次いでおり、そのスタンス変更がユーロドルを押し上げている要因となっている。ただラガルド総裁は他のメンバーとはやや違い、「ユーロ圏経済は新型コロナウイルスによるパンデミックから回復しつつあり、なお苦境に立たされている一部のセクターに標的を絞った外科的な支援のみが必要になっている。」という発言からテーパリングへのトーンは未だ低いままで、意見は分かれているが緩和縮小への姿勢が優勢とやや変化している。
欧州域内では、新型コロナ感染者数は7月の半ばまで増加していたが、その後は横ばいとなっており落ち着いている。約7割が2回または1回のワクチン接種を完了しているが、ロックダウン解除やデルタ株の影響で感染者減少傾向を打ち消した格好だ。今後の感染者数次第では、ECBのスタンスも変化が見られる可能性が残っている。先週ユーロドルは、短期の下落トレンドラインを上にブレイクし堅調推移が続いており、金曜日は米国雇用統計の悪化でドル安という影響は受けずユーロはやや利食いの売りが散見され1.18台後半に戻している。今週はECB理事会が予定されているため、ロング勢の手じまい売りが多かった様子である。そのイベントまでは小動きとなりそうだが、ECBのテーパリングへ向けた動きが出れば再度上値を追う可能性が大きいので注目している。1.1900付近を低下推移している75日移動平均線が上値の壁となりそうで、週の半ばまではやや軟調か。5月の高値1.2265から8月安値である1.1663の半値戻しレベルが1.1965となって抵抗が強い。ECB後の上値トライでそのレベルを抜けていくのかどうか。
<7月末のECB理事会でのラガルド総裁の会見内容>
「欧州のインフレは一時的で、利上げスタートの条件としてインフレ率2%以上が必要」「長期のインフレ期待は目標を下回る」
「見通しへのリスクはほぼ均衡」
「現時点ではいかなる出口も時期尚早」
以上のコメントから、ECB理事会は全体としてインフレに関しては大きな懸念はなく、未だリスク均衡であるためテーパリングはまだ行う必要はないという意見であった。 しかし8月26日のレーンECB理事のコメントでは「米金融当局のテーパリングの余波が市場に及んだ場合に備え、ECBは対応を準備し、ECBは受け身の傍観者ではない。ユーロ圏の資金調達環境に影響が波及する場合は、すでに示しているように、適切な行動を取る意思も能力もある」とテーパリングの可能性を醸し出すような発言となった。更に他のメンバーからも「パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の縮小を検討できる状況になっているとし、次回理事会で第4四半期の縮小開始が討議される」、「ECBは過度のインフレのリスクを無視すべきでない。ユーロ圏の物価情勢について、このところ物価を押し上げている一時要因が基調的なものになる可能性があり、ユーロ圏のインフレ率がECB予想を上回るリスクがある。」などの発言が相次いでおり、そのスタンス変更がユーロドルを押し上げている要因となっている。ただラガルド総裁は他のメンバーとはやや違い、「ユーロ圏経済は新型コロナウイルスによるパンデミックから回復しつつあり、なお苦境に立たされている一部のセクターに標的を絞った外科的な支援のみが必要になっている。」という発言からテーパリングへのトーンは未だ低いままで、意見は分かれているが緩和縮小への姿勢が優勢とやや変化している。
欧州域内では、新型コロナ感染者数は7月の半ばまで増加していたが、その後は横ばいとなっており落ち着いている。約7割が2回または1回のワクチン接種を完了しているが、ロックダウン解除やデルタ株の影響で感染者減少傾向を打ち消した格好だ。今後の感染者数次第では、ECBのスタンスも変化が見られる可能性が残っている。先週ユーロドルは、短期の下落トレンドラインを上にブレイクし堅調推移が続いており、金曜日は米国雇用統計の悪化でドル安という影響は受けずユーロはやや利食いの売りが散見され1.18台後半に戻している。今週はECB理事会が予定されているため、ロング勢の手じまい売りが多かった様子である。そのイベントまでは小動きとなりそうだが、ECBのテーパリングへ向けた動きが出れば再度上値を追う可能性が大きいので注目している。1.1900付近を低下推移している75日移動平均線が上値の壁となりそうで、週の半ばまではやや軟調か。5月の高値1.2265から8月安値である1.1663の半値戻しレベルが1.1965となって抵抗が強い。ECB後の上値トライでそのレベルを抜けていくのかどうか。
ユーロドルの日足チャート
日本では、菅総理大臣が辞任を表明したことで、日経平均株価の上昇が強まった。28500円付近で推移していたが、辞任を受けて29300程度まで急騰となった。菅首相が総裁選挙に出ないとしても適した後釜がいるとは思えない。元々日経平均は世界の先進主要国の株価と比較して、大きく出遅れの軟調推移が続いており、オリンピック開催やデルタ株の影響があって新型コロナ感染者が急増したことが尾を引いている。新規感染者が先週あたりからやや低下したことに加えて、求心力不足だった菅首相の辞任で、先物や信用売りが過去最大規模に近づいていたことがあり、需給面から買戻しが旺盛となった。今日の引け時点でみてもまだオプションコールの売り残や信用売り残が多いことやモメンタムの動きも加味すると、短期的には上値追いの公算が強い。今週末のメジャーSQに向けて買い仕掛けが起こると一段高もあり得ることで、一時的に3万円台回復の可能性が強い。突然ボラティリティーの上昇が起きた銘柄だけに、今後しばらくは大きな動きが期待できる。9月28日の与党自民党の総裁選挙から10月の前半に予想される衆議院議員総選挙に向けての動意も見られるだろう。しかし、今年2月の高値が30720円であり、そのレベルが頑強なレジスタンスであるため3万円から上は簡単に上昇するとは思えない。短期的にも2週間程度で3000円程度上昇しており、SQ通過後は一旦短期調整の可能性がありそうだ。上値の抵抗は直近では29750と29980にある。

日本では、菅総理大臣が辞任を表明したことで、日経平均株価の上昇が強まった。28500円付近で推移していたが、辞任を受けて29300程度まで急騰となった。菅首相が総裁選挙に出ないとしても適した後釜がいるとは思えない。元々日経平均は世界の先進主要国の株価と比較して、大きく出遅れの軟調推移が続いており、オリンピック開催やデルタ株の影響があって新型コロナ感染者が急増したことが尾を引いている。新規感染者が先週あたりからやや低下したことに加えて、求心力不足だった菅首相の辞任で、先物や信用売りが過去最大規模に近づいていたことがあり、需給面から買戻しが旺盛となった。今日の引け時点でみてもまだオプションコールの売り残や信用売り残が多いことやモメンタムの動きも加味すると、短期的には上値追いの公算が強い。今週末のメジャーSQに向けて買い仕掛けが起こると一段高もあり得ることで、一時的に3万円台回復の可能性が強い。突然ボラティリティーの上昇が起きた銘柄だけに、今後しばらくは大きな動きが期待できる。9月28日の与党自民党の総裁選挙から10月の前半に予想される衆議院議員総選挙に向けての動意も見られるだろう。しかし、今年2月の高値が30720円であり、そのレベルが頑強なレジスタンスであるため3万円から上は簡単に上昇するとは思えない。短期的にも2週間程度で3000円程度上昇しており、SQ通過後は一旦短期調整の可能性がありそうだ。上値の抵抗は直近では29750と29980にある。
日経平均の日足チャート
週末の米国雇用統計は、非農業部門雇用者数の予想75万人に対して約24万人の伸びに留まりテーパリングの遅れが予想されることとなった。しかし前月比の時給の伸びは予想を上回っている。非農業部門雇用者数の悪影響からドル安となっている。株価はまちまちとなり高値圏でのもみ合いに徹した。今週は、米国より欧州のイベントに注目している。ECB理事会、ドイツとEUのZEW景況感指数があり、4-6月期のGDP発表もEU圏で予定されている。米国ではベージュブック、日本では、日経先物メジャーSQ算出、4-6月期のGDP発表を控える。

週末の米国雇用統計は、非農業部門雇用者数の予想75万人に対して約24万人の伸びに留まりテーパリングの遅れが予想されることとなった。しかし前月比の時給の伸びは予想を上回っている。非農業部門雇用者数の悪影響からドル安となっている。株価はまちまちとなり高値圏でのもみ合いに徹した。今週は、米国より欧州のイベントに注目している。ECB理事会、ドイツとEUのZEW景況感指数があり、4-6月期のGDP発表もEU圏で予定されている。米国ではベージュブック、日本では、日経先物メジャーSQ算出、4-6月期のGDP発表を控える。