RBNZ会合レビュー
2021-08-24
■ ニュージーランド準備銀行(RBNZ)は18日、予想外の政策金利据え置きを決定
■ オアRBNZ総裁、今後1年半でより中立的水準へ引き上げ、10月利上げの可能性を示唆
ニュージーランド(NZ)準備銀行(RBNZ)は18日の金融政策会合で政策金利を過去最低の0.25%に据え置いた。声明では「決定は政府がNZ全土でレベル4の制限措置を課したことを受けたもの」だと説明。オアRBNZ総裁は「明白な方向は景気刺激策を縮小し、政策金利を引き上げること」、「向こう数日、数週間の動向を見極める一定時間が与えられた」との認識を示した。19日の議会委員会の会合では、「都市封鎖が実施されていなかったら、利上げしていた可能性は高い」として、RBNZが刺激策の解除を一段と進める方針に変わりはなく、今後1年半で政策金利をより中立的水準に引き上げていくと指摘。引き続き、当局者は政策金利が年内に0.5%、2022年半ばが1.5%、2023年末には2%を超えると予想している。
アーダーンNZ首相は17日、警戒レベルを1から4に引き上げ、3日間の都市封鎖を導入。当初は20日深夜に解除する予定だったが(オークランドは7日間)、オークランドで新型コロナウイルス新規感染者が21人確認され、全土対象の都市封鎖を4日間延長すると発表した。25日からはワクチンの接種対象を30歳以上に広げるほか、9月1日からはすべての対象年齢が接種可能となる。だが、ワクチン接種率(2回目完了)は全人口の19.4%、1回目終了は33.7%の低水準に留まる。豪州ではポーランドから米製ワクチン100万回分を緊急購入、20-39歳の接種を加速させるほか、接種率が70%に達するまで都市封鎖を堅持するなど対処法を講じた。アーダーンNZ首相の求心力が問われるなか、オアRBNZ総裁は新型コロナウイルスの影響について、「継続的な柔軟性を備えており、以前ほど心配していない」と述べており、10月6日に開催される次回会合の注目度は一段と高まろう。