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RBNZ会合プレビュー

2021-08-18

■ ニュージーランド準備銀行(RBNZ)は18日、約7年ぶりに政策金利を引き上げへ

■ 物価目標安定と雇用最大化を達成し金融政策は正常化、年内の追加利上げ観測も


   ニュージーランド(NZ)準備銀行(RBNZ)は18日に金融政策会合を開く。市場予想では、政策金利は0.25%から0.5%に引き上げられる見通し。利上げが決定されれば2014年7月以来約7年ぶりで、政策正常化に舵を切る。すでに5月26日の会合では、利上げ開始の可能性を示唆、2022年9月までに25ベーシスポイント(bp)の利上げを少なくとも1回、2024年末にかけて断続的に行うと予想し、利上げ観測は浮上していた。さらに、前回7月14日の会合の際には大規模資産購入(LSAP)プログラムに基づく追加資産購入を同23日から停止すると発表。声明では「消費者物価と雇用に関する目標を中期的に達成するため、金融政策の景気刺激レベルを下げることで合意した」と表明した。議事要旨には、「複数のメンバーはデフレと高失業の下方リスクが後退しているとの認識で一致した」との見解も示された。金利先物市場では、年内10月もしくは11月の会合でも25bpsの追加利上げを織り込む。
   RBNZは1990年、主要中銀に先駆けてインフレ目標を採用したが、2018年7月には「雇用最大化」も政策方針に加え、「中長期的な物価目標の達成と安定」との2つの目標を掲げた。4-6月期の失業率は4.0%と2019年10-12月期以来の低水準に改善、労働コスト指数は前期比0.9%上昇、前年比では2.2%上昇と伸びを高めた。消費者物価指数(CPI)上昇率も前年比3.3%へ加速し、中銀目標(1-3%)を超えた。8月以降、新型コロナウイルス新規感染者(7日間平均)は5人を下回り(人口:510万人超)、警戒レベルは4段階のうち最低水準(レベル1)を維持している。政府が感染拡大阻止に向けて都市封鎖を厳格化した後、いち早く経済正常化に転じたことは知られているが、1-3月期のGDP成長率は前期比1.6%増と2四半期ぶりのプラス成長に転じた。ワクチン接種率(2回目完了)が全人口の17%(1回目終了:29%)と低いことは気掛かりだが、政府は1回目接種を加速させるなどして年末までの接種完了を目指すほか国境管理に慎重を期する。景気回復ペースが加速するかどうか、9月16日発表の4-6月期のGDPは注目される。

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