今週の相場展望!!
2019-08-26
<2019年8月19日の週>
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先週は、パウエルFRB総裁の発言を金曜日の午後11時に控えて小動きの展開となった。
・基本的には全般、前週のポジションの利食いが優勢で、やや戻しの相場に入りイベント前での手仕舞いが多く見られた。
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<パウエルFRB総裁の発言内容>
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*米経済は「良好な立場」、FRBは「適切に対応」、世界の長期金利は低下し株価は振れが大きくなっている。米経済はFRBの物価・雇用目標に接近、企業投資や製造業は弱まる。雇用の底堅い伸びや消費支出が緩やかな成長下支え
*世界経済の減速や通商政策巡る不確実性、抑制されたインフレが良好な見通しを圧迫
*中国製品への追加関税や世界経済の減速示すさらなる兆候、英国のハードブレグジットの可能性など地政学的案件に留意し、利下げへの思惑が示された。
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パウエルFRB総裁の発言で長期金利が若干低下し、全般にややドル売り傾向程度で終始したが、その後トランプ大統領が中国への貿易関税を更に引け上げ、10月1日から発動すると発表したことを理由に株価やドルは急落し、金価格も1540ドル台へ急上昇となり、パウエルFRB総裁のよりもトランプ大統領の発言の方で動いた結果となった。
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<8月26日の週の相場展望>
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市場では米国ダウの大幅下げから立ち直っていたが、金曜日に再度急落し株価が約2.5%程度下げたことで今週はそれを睨みながらの展開となりそう。背景としてはトランプ大統領の中国との貿易への発言やまた中国政府の発言が相場の動きを左右しそうです。それに加えて、来月のFOMCで米国連邦銀行が金利政策へどのようなスタンスで臨むのか、今週中の連銀関係者の発言も相場に大きな影響を与えそうだ。
イベントとしては、火曜日にドイツのGDP、米国の消費者信頼感指数やリッチモンド連銀製造業指数、木曜日にフランスと米国のGDPが発表予定で、GDPウィークとなっていて、その数値次第では相場への影響が大きい可能性もある。
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<相場の行方>
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・ドル円は、今朝の市場オープン直後に円高が加速し今年初めの安値を下回って104.44を付けた。今日の日中は、輸入企業が安くなったドルを買いにきていることで戻している。しかしチャートの形状が中期的にも下向きとなったためまた投資家心理も含めると、午前中には一時戻しているが、上値が105円台(105.80と106.00付近に抵抗線)で止められると103円の半ばをターゲットに下落の可能性が大きい。しかし106円まで戻ってしまうと、105-107円でのレンジ相場となるだろう。
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・ユーロドルはドル安に反してやや上昇となりそうだが、欧州中央銀行であるECBが再度金融緩和の方向であるため大きな上昇は見込めにくい、1.1250まで上昇すると上値が重くなってきそう。またポンドドルもドル売りで上昇傾向だが、これもまた英国のジャクソン首相が合意なきEU離脱の可能性が大きいと語っているため、買いにくい展開。
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・金相場は逆に、ドルの受け皿となりそうで堅調な動きとなる公算が大きく。今週は1500-1580ドルの大きな幅で動く可能性が大きい。
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・オーストラリアの豪ドルは、経済が中国への輸出依存が大きいため、米国が中国の貿易関税を引き上げると中国への輸出額が減少し国内経済の低下が予想される。またオーストラリア中銀(BOA)も更なる利下げの可能性を言及しているので、買いづらい展開は続きそう。
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(本日の発言)
- 本日月曜日の午前中に劉鶴中国副首相「中国は、米中両国に不利益となる貿易戦争に断固として反対する」「冷静な交渉で通商摩擦の解決を望む」「成長確保に向けた手段は十分」と発言して、ドル円や株価が反転上昇している。その後、欧州時間に入りトランプ大統領が中国から貿易交渉再開の連絡が入った旨が伝えられると、ドル円や株価先物が急上昇し、金価格は急落している。このように両国政府関係者の発言次第で大きく振らされる相場となりそうだが、基本的には貿易摩擦は継続するとみており、今週はリスク回避の方向で相場は動いていくと思っている。